ストーリー丸山ひかり印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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毎年8月8日になると、SNS上で世界中の音楽ファンが「#808DAY」というハッシュタグをつけて、ある日本製の電子楽器への愛情をつぶやく。日本のローランドが1980年に発売したリズムマシン「TR-808」。販売不振などから2年間で生産が終了したが、のちにヒップホップやテクノなどに大きな影響を与え、ポピュラー音楽史を語る上で欠かせない存在になった。 当初は成功作といえなかった楽器が、なぜこれほど世界で愛されるようになったのか――。世界に衝撃与えたリズムマシンTR-808 開発者は「当初は酷評」ピコ太郎「PPAP」のヒットは「808のおかげ」 古坂大魔王さん未来の音だったTR-808 識者が語るテクノ、ヒップホップの影響 体まで震わせるようなバスドラムに、乾いたハンドクラップ(手拍子)、本物と似ているとは言いがたいカウベル……。そんな808の独特の音を使ったヒット曲は数え切れない。 マーヴィン・ゲイの「セクシャル・ヒーリング」(82年)に、ホイットニー・ヒューストンの「すてきなSomebody」(87年)や、ビヨンセの「ドランク・イン・ラヴ feat. ジェイ・Z」(2013年)など。80年代後半のイギリスでは「808ステイト」というテクノバンドが生まれ、世界的に有名なヒップホップミュージシャンのカニエ・ウェスト(現イェ)は2008年、808を大々的に使ったアルバムを「808s & Heartbreak」と名付けた。 2019年には国立科学博物館が、科学技術の歴史に大きな意義をもたらした重要科学技術史資料(未来技術遺産)として808を登録した。 この楽器にいち早く着目したのは、細野晴臣さん、高橋幸宏さん、坂本龍一さんによるイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)だった。 人気絶頂だった1981年、大胆な方向転換を目指して制作した「BGM」には、808がふんだんに使われている。 レコーディングの場に持ち込んだのは、78~82年にYMOのレコーディングやツアーに参加して「第4のメンバー」とも呼ばれた、シンセサイザープログラマーの松武秀樹さん(74)。横に16個並んだボタンから鳴らしたいタイミングの音を押すだけで好きなリズムを作れるという、当時としては画期的な機能を使い、3人と様々なリズムを作りながら制作したという。「偶発性を生かした、予想もつかないリズムが作れる。実験的な音楽を作ろうとした時に、808はぴったりだったんです」YMOの挑戦支えたヤオヤって? 「第4の男」松武さんが名機を語る 2016年に世界的にヒットした、シンガー・ソングライターのピコ太郎さんの楽曲「Pen-Pineapple-Apple-Pen」(PPAP)でも、808は重要な役割を果たした。 ピコ太郎さんがステップを踏むタイミングで「ポーン!」と鳴っているのは、808のカウベルの音。ピコ太郎さんのプロデューサーを務めるタレントの古坂大魔王さん(53)は「ピコ太郎が世界で売れたのは、8、9割はこの音のおかげだと思う」と話す。 PPAPの原型となる楽曲は…この記事は有料記事です。残り2114文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません






