コラム・寄稿象徴は信頼あってこそ 改正皇室典範を考える 谷口将紀の論壇時評印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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政治学者の谷口将紀さんが雑誌やネットの論考を紹介しながら時事を読み解く「論壇時評」。世論調査でも賛否が分かれた、改正皇室典範の課題を考えます。後半では、話題になった「現代思想」7月号の特集「『リベラル』のゆくえ」の論考も取り上げます。「論壇時評」7月のポイント・世論調査で真っ二つ、改正皇室典範は国民的合意を得られるか・法律だけでは育まれない「象徴」・「リベラル批判」の是非と、リベラルの課題【論壇委員のリレーコラム「あすを探る」】「第二世界」はどこへ消えたのか 「公正」を競わない時代を問い直す政治的「左右」の現在地、次に来たるグローバル化……いま注目の論考皇族との結婚、容易でない決断に 7月17日に改正皇室典範が成立した。これにより、旧宮家出身の男系男子を養子として皇族に迎えることや、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持することが可能になった。養子のもとに生まれた男子は皇位継承資格をもつが、政府は、立法府の将来の検討を先取りしたり縛ったりする趣旨ではないと説明している。他方、皇室に残る女性皇族の配偶者や子は皇族にならない。 昭和史研究の保阪正康は、男系男子を養子として皇族に迎える案について、愛子内親王への皇位継承の可能性を閉ざすこと、養子の結婚相手に男子の出産を求める重圧がかかること、養子に入る側と立てる側の双方に政治的な思惑が入り込むおそれがあること、旧宮家の人々の間で皇族に復帰しようとする意識が薄れていることなどを問題点として挙げる(❶)。さらに、天皇や皇族の意向に耳を傾けないまま皇室典範の改正が進められたとも批判する。 また、皇室に関する著作のあるジャーナリストの井上亮は、美智子上皇后や雅子皇后が経験した苦労、小室眞子さんに対するバッシングを踏まえれば、皇族との結婚は、当事者だけでなくその親族にとっても容易ならざる決断になると指摘する(❷)。加えて、女性の結婚難が社会問題化し、1人の女性が生涯に産む子どもの数も減る中、皇室を民間人出身者も容易に適応できる環境に整えなければ、天皇制存続への道は開けないと説く。 これに対し、保守論客で憲法…この記事は有料記事です。残り2561文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする