コラム・寄稿「ヘルパーさんが来なくてつらい…」ケアの未来へ 地域からの提起編集委員・清川卓史印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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記者コラム「多事奏論」 編集委員・清川卓史 「ヘルパーさんが来なくてつらい 介護離職して9年目」 デモの列のなかに、そんな手書きのプラカードを掲げて歩く女性の姿があった。5月、ケアワーカーの賃上げなどを訴える「ケアデモ」を東京・上野、御徒町周辺で取材していたときのことだ。 声をかけると、高齢の母親を家で介護している40代の女性だった。夜間のオムツ交換などに対応してくれる訪問介護事業所がなくなってしまったといい、「いつも介護で寝不足です」と話していた。 人材不足などによる在宅介護サービスの空洞化は年々、深刻さを増す。 東京都内の訪問介護事業所で社員ヘルパーとして働く50代の女性から今年2月、メールが届いた。女性は、亡き母親の介護を終えた後にヘルパーになり、やりがいを感じていた。しかし事業所は赤字続きで、ついに閉鎖が決まってしまった。そんな連絡だった。 訪問介護の先行きは厳しいと上司には言われたが、訪問先の高齢者に「今後もあなたに来てほしい」と懇願され、別の会社でヘルパーを続ける決断をした。しかし同僚の若手ヘルパーは全員、閉鎖を機に介護以外の業種に転職したという。 「つなぎとめられないですよね、今の状況では……」と女性は言った。 ヘルパーが来てくれないというSOSの声があるなかで、訪問介護事業所が次々と閉鎖・倒産で消えていく。 介護事業の苦境の原因は低すぎる介護報酬にある。ケアワーカー不足の根底には、全産業平均と介護職員との月8万円を超す賃金格差がある。抜本的に賃金を上げるための財源をどう確保するか。その真剣な検討がない限り、現場の希望にはつながらない。 一方で、社会保障に関わる現役世代の負担を引き下げよ、という政治的な声が強まる。財源確保は厳しい道だ。ずるずると人材不足による介護崩壊へ向かうのか。悲観的な思いも胸をよぎる。 そんななか、少し気持ちが明るくなるニュースが届いた。現役ヘルパーとして働く伊藤みどりさんからだ。 東京都三鷹市に住む伊藤さん…この記事は有料記事です。残り517文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人清川卓史編集委員|社会保障担当専門・関心分野認知症・介護、貧困、社会的孤立関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする