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ユネスコの世界遺産への登録が決まった「飛鳥・藤原の宮都」。構成資産の多くが位置する奈良県明日香村では、観光客向けの宿泊施設が増えつつある。駐車場が少なく、道幅も狭い村で「じっくり味わう」観光の形を模索中だ。記事のポイント・「飛鳥」観光の現状は・古民家ホテルが開業・星野リゾートも進出・村長に聞く 目指す方向は 7月下旬の平日の朝。世界遺産の構成資産の一つとなる「石舞台古墳」の周辺は、人通りがまばらだった。 奈良市から来た奥地志保さん(48)は「いいタイミングで来られた。世界遺産になったら絶対に混むと思うので」と話す。 歴史好きがこうじて世界遺産検定準1級ももつという奥地さんは、世界遺産登録で飛鳥の観光客が増えすぎることを懸念する。「この場所が守ってきた自然や歴史を傷つけないような観光地になってほしい」 明日香村によると、「飛鳥美人」で有名な壁画が高松塚古墳で発見された1970年代、村を訪れる観光客は急増した。 記録が残る80年度以降では、82年度の年間約175万人が最多。その後は減少し、コロナ禍前は80万人前後で推移。直近の2025年度は約72万人だった。 今年6月、ユネスコの諮問機関イコモスの勧告で世界遺産登録が確実となり、大きなニュースになった。村の担当者は「例年5月を過ぎると閑散期になるが、今年は県外ナンバーの車を見かけることも多い。観光の客足が増えているのを感じる」と話す。 村によると、村内にある宿泊施設は民宿8施設を含む23施設69室265人分。村を訪れる観光客の6~7割は日帰りだが、近年、新たに開業する宿泊施設もある。古民家ホテルが開業 長谷工グループが22年に開業したホテル「ブランシエラ ヴィラ 明日香」は、村の空き家バンクに登録されていた築150年超の古民家を改装した。 長谷工グループは17年、官民連携の包括協定を村と締結。村内の空き家を有効活用しつつ、宿泊施設が少ないという課題に応えたという。 25年には、石舞台古墳のすぐ近くに宿泊施設とレストランを備えた「ブランシエラ 石舞台 テラス」もオープンした。 長谷工コーポレーション明日香村PJ推進室の喜多杏珠(あんじゅ)主任は「村の自然や歴史をゆっくり楽しんでもらえるよう、県外ではなく村の中で宿泊できる場所を増やしていきたい」と話す。星野リゾートも進出 全国でホテルを運営する星野リゾートも27年、同社で最高級クラスのホテル「星のや飛鳥」(35室)を開業する予定だ。 水田の跡地に瓦屋根の2階建て施設を造り、敷地の中心に棚田を模した庭をつくる。 企画開発グループの瀬尾光教ディレクターは「日常から切り離された空間で、歴史のロマンに思いをはせてほしい」と話す。 明日香村での観光業の難しさは、村内に駐車場が少なく、道幅も狭く、受け入れられる人数に限りがある点にあると瀬尾ディレクターはみる。大勢の観光客を迎え入れるよりも、少ない人数で3~4泊と長く滞在し、回遊してもらえたらと考える。 「村の雰囲気をじっくり味わってくれる方に来てもらいたい」村長に聞く 目指す方向は? 「世界遺産の村」はこれからどこへ向かうのか。明日香村の森川裕一村長(70)に目指す方向を聞いた。 ――世界遺産の登録を、これからの村づくりにどう生かしますか? 「私たちが目指す村は、観光…






