コラム・寄稿印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

[PR]

ニコラス・クリストフ 私たちの250歳の誕生日パーティーは、米国そのものと同じくらい、分断され、問題を抱え、不安に満ちているように私には思えた。 異常気象のためワシントンのナショナルモールから人々が避難した出来事は、まさにその瞬間を象徴していた。ドナルド・トランプ大統領は、気候変動という自然の力が私たちの生活を大きく左右しているにもかかわらず、それに逆らい、否定しようとしている。トランプ政権下で、米国は化石燃料への依存をさらに強め、21世紀の経済の中心となるグリーンエネルギー技術を中国が支配することを許している。極めて近視眼的であり、良い兆候ではない。 そういう意味で、この落ち着かない誕生日にあたり、私はこれまで訪れたことのあるいくつかの場所の運命について、思いを巡らせた。 中国の開封は今日では黄河沿いにあるひっそりとした都市だが、千年前にはおそらく世界で最も重要な場所だった。当時は中国の首都であり、約100万人の人口でにぎわっていた。(当時のロンドンの人口は約1万5千人だった)深刻に間違った方向に進んでいる 西暦1000年当時、世界の覇権を争った他の勢力としては、コンスタンチノープル(現イスタンブール)を拠点とするビザンツ帝国、バグダッドを拠点とするアッバース朝、そして現在のアフガニスタンのガズニーに本拠を置く西アジアのガズナ朝が挙げられる。しかしいずれも、時代の変化に適応して存続することはできなかった。 そこで私は考える。米国は持ちこたえられるだろうか? 500歳の誕生日を迎えた時、米国は依然として活気に満ちているだろうか? それとも、ビザンツ帝国やアッバース朝と同じ道をたどることになるのだろうか? 私たちの脆弱(ぜいじゃく)さは明らかであり、米国人の3分の2が「かなり深刻に間違った方向に進んでいる」と答えている。 特に懸念しているのは、米国を強大な地位に押し上げてきた「三つの柱」のアプローチを私たちが損ないつつあることだ。その第一は、教育などの人的資本への多額の投資である。米国は19世紀から20世紀にかけて大衆教育において世界をリードしていたが、経済協力開発機構(OECD)のPISA(国際学習到達度調査)によると、現在では読解力は9位、科学は16位、数学は34位に位置している。 人的資本は私たちの健康と幸…この記事は有料記事です。残り2360文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする