視点・解説揺らぐ「国境のない南極」 国家の利害乗り越え、平和と環境守れ中山由美印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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記者解説 専任記者(南極・北極)中山由美 南極は国境がなく各国が科学的な観測をしてきた。この枠組みを支える国際条約が揺らいでいる。 南極条約は領土権の主張を凍結し、鉱物資源の開発や軍事基地の建設を禁じて環境保護を定める。 条約は現在、58カ国が締約しており、そのうち決定権を持つ協議国は米英独仏日、中国やロシア、ウクライナなど29カ国だ。 協議国会議(ATCM)が5月に広島市であった。非協議国を含め44カ国の代表ら400人以上が参加し11日間にわたって議論。最終報告書が6月、公開された。国内開催は32年ぶりで、被爆地から平和のメッセージも期待された。 気候変動や増える観光客など、南極を取り巻く課題は多岐にわたる。各国が協調しなければ対応できないが、会議では国家間の対立が浮き彫りになった。 会議は非公開で冒頭のみ取材できた。開会式が終わるとウクライナ代表が口火を切った。「ウクライナ人の南極海洋生物学者を、ロシア当局が占領下のクリミアで違法に逮捕した。即時釈放を要求する。すべての締約国に政治犯としての迫害を防ぐよう求める」。この訴えに英独仏や日本など多くの代表が賛意を示した。会議は毎年開かれていて、2022年のロシアによる侵攻後、ウクライナ代表はロシア批判を繰り返してきた。ポイント・南極の領土争いを防ぎ平和利用するための国際条約が、国家間の対立で揺らいでいる・コウテイペンギンの保護で中国やロシアが反対するなど、重要課題がまとまらない・観測実績もある日本が「国境のない南極」の枠組みを守るため、存在感を示す時だ 参加者や報告書によると、重…この記事は有料記事です。残り2829文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人中山由美専任記者|南極・北極担当専門・関心分野南極・北極、地球環境、野生生物関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする






