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2年まえの5月、東京のオフィス。彼女は、パソコンで文章をつづっていた。 《経口薬による治療を続けるか、核出術をするか、子宮全摘出をするか。正解はないけれど、悩んでいます。同じように悩んでいる方や、経験者の方からのご意見をお寄せいただきたいです》 彼女は、西本美沙さん(42)。 女性の体や心の悩みを考えるサイトを運営する。性教育の教材を開発する……。そのような事業をしている「ランドリーボックス」の社長である。 西本さんは、みずからの境遇を文章につづる。 子宮腺筋症になり、経口薬による治療をしていること。不快感は軽くなったけれど、出血がつづいていて、主治医と相談していること。 最終的には自分で決める。そう宣言しつつ、最後にこう書いた。 《同じように悩んでいる方にお話を聞いてみたい》 そして、自身が運営するサイトに文章をアップした。女性の体や性の悩みをブログに 西本さんは大阪市うまれ。 母は、差別をなくしたい、憲法を守るぞ、の人だった。「元始、女性は太陽であった」で知られる平塚らいてうに刺激をもらったという人である。 そんな母に影響されつつ、西本さんは東京の私大にすすむ。何をしたいのか分からないのにエントリーシートに志望動機など書けない。だから、西本さんは就活をしなかった。 大学卒業、いろいろな仕事を経て、総合娯楽・ITの「ドワンゴ」へ。ブログサービスのPRを担当した。 興味があることを書いてみようと思った。ファッションや食べ物のブログは、世の中にあふれている。だから、女性の体や性の悩みを書くことにした。 匿名で、体験談や考えが寄せられた。性の悩みも送られてきた。 飲み友だちたちが、いろいろ相談してくるようになった。「ずーっと悩んでいた。でも、言えなかった」などと。病気をきっかけに企業 2014~15年のころ。西本さんは体に異変を感じた。 出血が続く、へんだぞ。 かかりつけの医師は「子宮腺筋症だと思われる」と診断した。専門医にも診てもらったが、同じ答えだった。 命にかかわる病気ではなく、不安はあまりなかった。ただ、経血量が多いのは不快だった。自分にあった生理用品は何なのか、何が適切な治療法なのか、分からなかった。 2019年、東京で会社をつくった。社名「ランドリーボックス」には、自分の価値観を洗い流し、自分らしいチョイスができる場所という思いをこめた。 そして、性や心の悩みをいっしょに考えるサイトをつくったのだ。みんなで悩んで、体験を共有する さて、子宮の病の問いかけに、投稿がつぎつぎに寄せられた。 《まず信頼できる主治医を見…