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毎朝3時45分に起きて25キロ走るーー。そんな「限界突破」な生活を6年間続けている投資家の田中渓さん。なぜ、そんな生活を6年も続けられているのでしょうか。ポッドキャスト「限界突破ライフハック」でMCのけんすうさんと語りました。「やろう」と思っても、ついつい続かなくなる早起きですが、田中さんもけんすうさんも「サボりにくい設計をすることが大事」と指摘します。【この記事は、元ゴールドマン・サックス証券の投資家・田中渓さんと、起業家・アル代表のけんすうさんこと古川健介さんのポッドキャスト番組「限界突破ライフハック」を、アルのAIサービス「Pody」で文字起こしし、編集したものです】起きて走って自転車こいで泳いで…毎朝3時45分に起きる生活を、6年ほど続けている田中さん。しかも、起きた後にやることも普通ではありません。25キロ走る、70キロ自転車をこぐ、9000メートル泳ぐ。そのどれかを毎朝選んでいるといいます。ポッドキャスト「限界突破ライフハック」第1回で、けんすうさんが聞いたのは、そんな田中さんの「早起き」の話でした。ただ、この記事で扱うのは「みんなも3時45分に起きましょう」という話ではありません。田中さん自身も、体内時計には個人差があり、朝に向かない人もいると話します。それでも、6年続く習慣の裏側には、意志の強さではなく、「環境の作り方、報酬の置き方、脳のだまし方がある」と紹介します。3時45分には「時空が歪む」感覚がある田中さんは、最初から3時45分を狙っていたわけではありません。もともとは6時ごろから始め、少しずつ起床時間を早めていったそうです。やがて5時半、4時台へと進み、あるとき3時台に起きてみたところ、不思議な感覚があったといいます。「3時っていう世界は、ちょっと時空が歪(ゆが)んでいる」多くの人にとって、3時台はまだ「前日の延長」ではないでしょうか。夜更かししている人もいる一方で、田中さんにとってはもう朝であり、新しい1日が始まっています。田中さんは「自分だけが少し先の日付にいるような感覚がある」といいます。ただ、3時半より前だと「まだ前日な気がする」。4時では少し普通に近い。3時半と4時の間にある3時45分が「ちょうどよかった」といいます。「3、4、5という語呂のよさもあります。さらに、スヌーズを2回しても3時59分で、まだ4時前に収まる。極端な時間でありながら、少しだけ失敗の余地も残している」と語っていました。「早起き」ではなく「田中渓する」一般的な早起きといえば、5時や6時を思い浮かべる人が多いかもしれません。それよりかなり早い3時45分に起きる田中さん。SNSでは、早起きすることを「田中渓する」と呼ぶ人も出てきたそうです。夜更かししている人が「そろそろ田中渓さんが起きてくるから寝なきゃ」と言うこともあるといいます。田中さんは、超早起きというジャンルには「ブルーオーシャン感」があると語ります。普通の早起きとは違うカテゴリーとして、3時台起きが認識され始めているのです。実際、田中さんの影響で3時台に起きる人も増えているそうです。番組には、毎朝3時台に起きて一緒に走る「田中渓クラブ」のようなコミュニティーが各地に生まれている、というおたよりも届いたといいます。ただし、田中さんにとって大事なのは、早い時間そのものだけではありません。「その時間は、誰にも邪魔されない。仕事の連絡も来ない。家族や周囲の予定ともぶつかりにくい」。早朝は、自分のためだけに使いやすい時間でもあります。夜の仕事は、朝に回したほうが早い田中さんは、夜に残った仕事を無理に終わらせないことがあるそうです。途中でも切り上げて寝て、朝に回す。理由は、寝て起きると、意思決定の力が回復している感覚があるからです。一日に人間が意思決定できる回数には限りがある、とよく言われます。田中さんは、夜に消耗した状態で仕事を続けるより、朝に「HP100」の状態で取りかかったほうが、生産性が高いと感じているといいます。メールも同じです。夜中に返しても、相手が寝ていれば結果は朝と変わらない。だったら、朝に回してもよい。けんすうさんも、起きる時間を固定する考え方には同意します。夜寝る時間は、会食や仕事などでコントロールしづらい一方、起きる時間は自分で決めやすい側面があります。けんすうさんの場合は、毎朝6時10分に起きているそうです。その時間にしているのは、6時ちょうどだと少し早すぎる感じがあり、5時台だと負担に感じる……。でも6時10分なら、「健康的に起きられている範囲」と思えるからだそうです。田中さんが早さに高揚感を見いだすのに対して、けんすうさんは「早すぎない安心感」を重視しているといいます。方向は逆でも、自分に合う時間を探している点は同じです。早起きは、意志ではなく報酬で続けるとはいえ、早起きしたいと思っても、続かない人は多いのではないでしょうか。なぜ、田中さんは続けられるのか……。田中さんは、「意志の力をあまり信用していない」といいます。実際、英語学習では何度も挫折してきたそうです。外資系企業に長く勤めながら、毎年1月1日に「今年こそ英語を頑張る」と決め、2月には挫折する。ゴールデンウィークに再挑戦して、また続かない。そんな失敗を何度も繰り返してきたといいます。だからこそ、「意志」や「ストイックさ」ではなく、仕組みで自分を動かす必要があると考えたといいます。早起きについて田中さんが使っているのは、「報酬」です。朝起きられたことで得られる高揚感、自己肯定感、「未来を生きている」感覚を、毎日の小さな報酬にする。さらに、朝起きられた日は夜に好きなものを食べていい、お酒を飲んでいい、というような分かりやすい報酬も設定しているそうです。そうやって、脳が動きやすい条件を作っているといいます。けんすうさんも、自分の習慣づくりに似た仕組みを使っています。朝8時から配信をすると決めたことで、休むなら待っている人に「告知が必要」になります。けんすうさんにとって、「休むほうが面倒」になるから、続くのだといいます。けんすうさんの指摘する、「やる面倒くささ」より「休む面倒くささ」を大きくするーー。これも、意志に頼らない習慣化の一つです。起きたらまず、サプリを飲んでしまう3時台に目が覚めても、多くの人は「もう一回寝よう」と思うはずです。まだ暗い。布団はあたたかい。目を閉じればすぐ眠れる。けんすうさんは、早起きが難しい理由として、この「目が覚めた瞬間に、まだベッドの中にいる」ことを挙げます。田中さんは、その最初の一歩を越えるために、ベッドの横に走るための服、水、サプリをすべて置いているのだといいます。起きたらまず、それを手に取ってサプリを飲んでしまう。すると、「このまま寝たら、サプリだけ飲んだ人」になってしまう。だから動くしかない、というわけです。小さな行動ですが、布団の中にいる状態から、外に出る状態へ橋をかける工夫です。田中さんは、ここで「作業興奮」という考え方も紹介します。最初の5分だけでも動き始めると、その後は続けやすくなる。片付けが面倒でも、少し始めると気づけば長くやっていることがある。それと同じです。脳は現状を維持したがる。布団の中にいれば、寝ている状態を続けたくなる。ところが、ゆっくり歩き出せば、今度は動いている状態が新しい現状になる。田中さんは、脳がサボりたがることを前提に、それを「飼いならす」ためのコツをたくさん持っているのです。目覚まし時計より、スマートウォッチの振動早起きの道具として、2人がそろって評価していたのがスマートウォッチです。音のアラームは、意外と慣れてしまいます。大きな音でも起きられないことがある。一方で、手首でスマートウォッチが振動するのは起きやすいといいます。田中さんは学生時代、マットレス全体が振動する「ブルブルマット」のようなものを考えたこともあるそうです。もちろん、振動で目が覚めても、そのままスヌーズを止めて寝てしまえば意味はありません。だからこそ、起きた直後にやることまで決めておく必要があります。睡眠時間は削らない。足りない日は昼に調整する。3時45分起きと聞くと、睡眠時間を削っているように感じるかもしれません。しかし田中さんは、「原則として7時間は寝たい」「できれば8時間寝たい」と話します。最低でも6時間の枠で考えているため、夜は8時半や9時に寝ることもあるそうです。とはいえ、夜にお付き合いがあることも。月に数回は寝るのが遅くなって睡眠不足になることもありますが、そのときは昼間にパワーナップ(正午から15時くらいに15分~30分の睡眠をとること)で調整するといいます。早起きは、睡眠を軽視することではありません。むしろ、起きる時間を固定するからこそ、寝る時間や昼の休み方も設計する必要があります。寝室の環境については、耳栓、アイマスク、温度、湿度、マットレス、枕、布団、パジャマなど、整えられる要素がいくつもあると田中さんは話します。田中さん自身はすべてを徹底しているわけではありませんが、一つずつ試す価値はあると見ています。けんすうさんは、脳波を測る睡眠計測も試したことがあるそうです。ただ、装置をつけていると寝づらいことがわかったと話します。多くの人にとっては、まずスマートウォッチなどで睡眠を測るだけでも十分かもしれません。田中さんは、ダイエットと同じく「レコーディング」が大事だといいます。現状を知り、枕を変えたらどうか、パジャマを変えたらどうかと、一つずつ試す。理想の睡眠に近づくには、まず測ることが土台になります。朝型が合わない人もいる田中さんは、「どうしても朝に向かない人もいる。そういう人は、自分が夜型かもしれないと考えたほうがいい」と話します。つまり、田中さんの3時45分起きをそのまままねする必要はありません。そもそも田中さんの運動量は、かなり極端です。25キロ走る、70キロ自転車に乗る、9000メートル泳ぐというメニューは、誰もがまねできるものではありません。むしろまねできるのは、時間そのものではなく、「続けるための設計」です。起きる時間を固定する。起きた直後の行動を決めておく。報酬を用意する。休むほうが面倒になる仕組みを作る。睡眠を測り、環境を少しずつ整える。けんすうさんは、6時10分から少しずつ早めるならどうかと話していました。田中さんは、人に勧めるときは5分ずつ早めるとよいと語ります。いきなり3時45分を目指さなくていい。まずは、明日の朝にスマートウォッチの振動で起きてみる。起きたら水を飲む。カーテンを開ける。5分だけ外に出る。そのくらいの小さな一歩でも、脳にとっては「もう始まっている」という合図になります。田中さんの3時45分起きは、確かに異常値です。ただ、その裏側にあるのは、特別な意志の強さではありません。自分の脳がサボりたがることを認めたうえで、サボりにくい順番を作る。その積み重ねが、6年続く習慣になっているのです。【ポッドキャストはこちらから】毎朝3時45分起床を6年継続する男が語る、早起きの「本当の理由」ニュースが身近になるメディア「withnews」https://www.asahi.com/withnewsTikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@withnewsYouTubeアカウント:https://www.youtube.com/@withnewschannel