思春期に多いがん「骨肉腫」発症の謎解けた はじまりは老化の研究野口憲太印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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老化の仕組みを調べていたら、思春期に多い骨のがんの謎が解けた―― これまで解明されていなかった「骨肉腫」の発症の仕組みに、細胞分裂のアクセルとブレーキのバランスが深く関係していることを、東京大と慶応大のチームがつきとめた。偶然の発見が、新たな治療法の開発につながるかもしれない。 論文が、15日付の科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」で発表された(https://doi.org/10.1038/s41467-026-74929-6)。10代に多く、ひざ関節にできやすい 骨肉腫は年間200人ほどが発症するめずらしいがん。患者は10代に多く、ひざ関節にできやすいことが知られている。 現在は抗がん剤治療が確立し、がんの切除手術とあわせての5年生存率は70%ほど。ただ、発見時にすでに転移などがあると生存率は大きく下がる。 若い人のひざに起きやすいことから、体の成長に関連すると考えられていた。ただ、詳しい発症の仕組みは分かっていなかった。 解明の糸口は、想定外の観察結果からもたらされた。 チームを主導した東京大の山田泰広教授はもともと、老化のメカニズムを調べるため、老化細胞の目印となるたんぱく質「p21」に着目。体内でp21が光るように遺伝子改変したマウスで実験をしていた。 そこへ、骨の老化の研究のため訪れていたのが慶応大の大学院生で医師の齊藤誠人さんだった。 マウスを観察すると、予想もしていない現象に気づいた。老化した細胞で多いはずのp21が、成長期のマウスの太ももの骨の先端で光っていたのだ。p21は老化細胞の目印としてだけでなく、がんの原因にもなる「傷ついたDNA」に反応し、細胞分裂を止めさせる増殖の「ブレーキ役」としても有名だ。 「この観察結果が、骨肉腫の謎にせまるカギになるかも」。骨のがんの患者も診ている齊藤さんは、すぐにそう直観した。 詳しく調べると、p21が光っていたのは成長期に活発に分裂する「骨芽細胞」だった。また、分裂を促す「アクセル役」の因子も活性化していた。 アクセルとブレーキを同時に…この記事は有料記事です。残り730文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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