コラム・寄稿「書けない」日の放心、慰める蟻の行列 小動物を見つめる人たちの句印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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歌壇俳壇面のコラム「うたをよむ」。今回は歌人の西山睦さんが、蟻(あり)を見つめた句から人間を考えます。うたをよむ 西山睦 雨の日々、濃密な木斛(もっこく)の花の香りが部屋を満たし、息苦しい。ウッドデッキに出ると、目の前に蟻の穴が二つ見える。春先の「蟻穴を出(い)づ」のときから折に触れて見ている蟻の巣。一つは玄関で、一つは裏口らしい。日差しの強い時は入り口をダンゴムシの不透明な殻で覆っている。雨の日は鳩(はと)の羽根を引きずってきて、入り口に二本差していた。雨を凌(しの)ぐのにはもってこいの材料に脱帽である。 書けぬ日のくろぐろと行く蟻の列 大木あまり氏の蛇笏賞受賞後の第一作の末尾の句である。放心を慰めるときに小動物の蟻がいることに大いに共感する。そんなことを見透かしたように、 一生の中の蟻見てゐる時間…この記事は有料記事です。残り363文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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