視点・解説物怖じせず、多数派に流されず 「芸術」を追求した美輪明宏さん編集委員・後藤洋平印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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美輪明宏さんはシンガー・ソングライター、俳優、舞台演出家として生き抜いた。「美しさとは何か」「芸術とは何か」を追求し続けた人生だった。 10代の頃から誰に対しても物おじしなかった。多数派の意見に流されず、おかしいことはおかしいと、堂々と意見を述べた。そして、そんな態度が大物作家や劇作家をはじめ、多くの人々の心をつかんだ。劇作家の寺山修司や小説家の三島由紀夫は、美輪さんのために役を当て書きした。 「出会ったばかりの頃、三島さんに地方出身であることを馬鹿にされた。『東京なんて田舎者の集まり。国際都市で歴史ある長崎の方が文化的に優れているのよ』と言い返したの」。「政治家をはじめ、一見は立派な人ほど、本当に立派な人は少ない」とも話していた。 寺山が美輪さんのために書いた舞台作品「毛皮のマリー」には、美輪さんが常々考えていたことと重なるようなセリフがある。 「世界は何でできているか考えたことある? 表面は大抵ウソ。だけど中はホント」――。 主演舞台では演出、美術、衣装、音楽、振り付けを自ら担当した。ライブでは、自身の曲に加えてエディット・ピアフなどの名曲も披露した。 ピアフの「愛の讃歌」は、越路吹雪が歌った岩谷時子の訳による日本語版が広く知られている。その始まりは、「あなたの燃える手で あたしを抱きしめて」というフレーズだ。 しかし美輪さんは「フランス語で書かれた元の詞は、あんな内容ではないんです。ピアフの作品を尊重するのであれば、原典に忠実に歌わなければいけない」。「高く青い空が 落ちてきたとしても」で始まる、自身が訳した詞で歌い続けた。 社会的弱者やマイノリティー(少数者)の状況に常に関心を寄せ、発言した。同性愛者が奇異の目で見られることについて、きっぱりと異議をとなえた。 朝日新聞の人生相談企画「悩…この記事は有料記事です。残り514文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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