【社説】米イランの大統領が覚書に署名 粘り強く最終合意をめざせ2026年6月19日 19時00分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするこの社説のポイント●米国とイラン両国の大統領が戦闘終結に向けた14項目の覚書に署名した●イランによる核兵器の開発を防ぐための最終合意は、今後60日間の協議に委ねられる●米国内では「譲歩しすぎだ」との批判が高まる。難航が予想されるが、期限にこだわらず交渉すべきだ
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平和が力で実現することはなかった。時間がかかろうとも、争いは話し合いで解決するほかない。そのことをあらためて確認するときだ。 トランプ米大統領とイランのペゼシュキアン大統領が、戦闘終結に向けた14項目の覚書に署名した。最終合意は今後60日かけて交渉する。戦火を再燃させないための歩み寄りを望む。 覚書は論点整理に近い内容だ。イランは核兵器の調達も開発もしないことを改めて表明した。だが、それを保証する具体策や、保有する高濃縮ウランの扱いなどは今後の協議に委ねられた。 イランの核開発を大幅に制限した2015年の核合意は、暫定合意から20カ月の交渉を経てまとまった。文書は約160ページに及ぶ詳細な取り決めだ。トランプ氏はその内容を「最悪だ」として合意から一方的に離脱し、新たな合意を模索する。簡単な道のりではないだろう。 交渉期間について、覚書は双方の合意で延長が可能としている。期限にこだわらずに粘り強く話し合いを続けるべきだ。 その行方に影を落とす不確定要素はいくつもある。 覚書は、イランのミサイル開発や中東各地の代理勢力への支援に一切触れていない。2月末に米国がイスラエルとともにイランを攻撃した際は、これらの問題も理由に挙げていた。 一方で、イランの復興のため少なくとも3千億ドルを確保するとした。このためトランプ氏の与党・共和党からも「譲歩しすぎだ」との批判が出ている。秋の中間選挙を前にトランプ政権への圧力が高まりかねない。 イランの最高指導者モジタバ・ハメネイ師は、今後の交渉は「敵の立場を受け入れることを意味しない」と牽制(けんせい)した。昨年6月と今年2月、米国との交渉が続くさなかに攻撃を受けたことから、対米不信は根深い。 トランプ氏はイランが合意を守らなければ「再び爆撃する」と、相変わらず威嚇している。こうした言動は双方の利益にならない。 最大の懸念材料はイスラエルの動向だ。覚書はレバノンでの戦闘終結も明記している。しかし、ネタニヤフ首相はレバノンからの部隊の撤退を拒否した。不満を表明したトランプ氏に対し、ネタニヤフ政権内の極右政党の閣僚らは反発している。 米国は毎年巨額の軍事支援を供与している。イスラエルが合意を守らないなら、その見直しなど何かしらの行動で抑制しなければならない。米国、イランとの14項目の覚書公表 ホルムズ海峡は自由航行認める「社説digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする







