「黄金のペットボトル」のポイ捨て次々 トイレで用を足さぬのはなぜ2026年6月18日 17時30分日比野容子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

[PR]

高速道路の路肩や植え込みに捨てられた、俗に「黄金のペットボトル」と呼ばれるごみの実態を探るため、京都府トラック協会は先月、京都市南区の名神高速道路桂川パーキングエリア(PA)で初の清掃活動を行った。約30人が参加した1時間の作業で、100本以上が見つかった。 黄金のペットボトルとは、高速道路上でドライバーがボトル内に用を足し、投棄したものを指す。全国のPAなどで多数見つかっているという。 「うわさに聞いていた以上にひどい」。京都府トラック協会の藤木哲也・副会長は驚いた。協会はこれまでも「あなたの不始末を始末している人がいる」とのキャッチフレーズで、携帯トイレを会員企業約1100社に配るなどマナー啓発に取り組んできた。しかし、ポイ捨てはなくならない。 そもそもなぜ、ペットボトルに用を足さざるを得ないのか。 「トイレに行きたくとも、行けない事情もある」と増田敏理事は指摘する。 背景にあるのが、時間外労働の上限規制などを定めた「働き方改革」だ。同じ距離を運ぶ場合、運転手は以前よりもタイトな運行スケジュールを求められるようになった。 4時間運転するごとに30分の休憩を義務づける「430(ヨンサンマル)休憩」と呼ばれるルールも厳格化された。従来は荷物の積み下ろしや待機時間も「中断」とされてきたが、現在は30分の純粋な「休憩」が不可欠だ。 ルールを守るため、最寄りのPAなどに停車して休憩するが、駐車場が満杯で、駐車スペースではない場所に止めざるを得ず、トラックから離れられないことも多いという。 さらに、NEXCO3社(東日本、中日本、西日本)が予定しているETC搭載車の深夜割引の見直し方針も追い打ちをかける。現行では「午前0~4時」に少しでも走行すれば、走行した全区間が割引対象になるが、見直し後は「午後10時~翌日の午前5時」の走行分のみが割引対象となる。「割引のある時間帯にますますドライバーが集中し、混雑に拍車がかかるだろう」と岡本美知由理事は心配する。 京都府トラック協会は、今秋にも再び清掃活動を行うことを決めた。小松宏畑企画部長は「今後も粘り強く啓発していく」と話す。悪臭ただよう清掃の現場 NEXCO西日本によると、「黄金のペットボトル」は高速道路上の休憩施設や路肩、中央分離帯などあちこちにポイ捨てされており、各休憩施設では平均1日1~2本、多い時では20本以上見つかることもあるという。 回収されたペットボトルは、グループ会社の清掃員が一本一本ふたを開けて中身を捨てた後、水ですすいで処分する。悪臭がひどく、特に夏場は容器が膨張し、開栓と同時に中身が噴き出すこともあり、衛生面の問題に加え精神的負担が大きいという。こうした背景から、一部休憩施設では、ペットボトル破砕洗浄機の導入に踏み切った。 現在、横断幕やポスターで、ポイ捨てをやめて持ち帰るよう呼びかけている。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人日比野容子京都総局|経済(京都・滋賀)専門・関心分野オーバーツーリズム、鉄道・交通政策、歴史文化、医療・介護、クラシック音楽、スキー、料理、欧州など関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする