コラム・寄稿2026年6月17日 17時00分潮智史印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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巨大なW杯が静かに幕を上げた。 時差のある3カ国共同開催で移動に時間がとられる。そのため、すべての試合を細かく見る余裕はない。「静かに」と感じるのはそのためだ。あまりに悲しいW杯 何を祝うべき大会か ベン・メイブリーさんの目 32年前の米国単独開催が初めてのW杯取材だった。どうしても、当時との変化に目が向く。 現在の北米プロリーグ、MLSが発足したのは1996年。1994年大会の米国代表はアマチュアや学生選手が多くを占めていた。今大会は26人のうち18人が、欧州を中心とする海外リーグでプレーしている。 米国は初戦でパラグアイを4―1で一蹴した。最初の得点は相手のオウンゴールによるものだった。嫌な記憶がよみがえる。32年前、米国との1次リーグでオウンゴールを記録したコロンビアのDFは帰国後、射殺された。その選手の名から「エスコバルの悲劇」と呼ばれている。 当時、失礼を承知で米国を「サッカー不毛の地」と表現した。いまや、MLSの観客動員数は、1試合平均で日本のJ1を上回る数字に達する。 ビジネス面以外の変化も感じる。ブラジルなど南米からMLSに渡る選手が増えた。米国を経由して欧州にステップアップする例も多い。世界中から選手を集める欧州も米国に目を向けている。 評判の悪い変化は観戦チケットの価格高騰だろう。 国際サッカー連盟(FIFA)は、需要に応じて価格が変動するダイナミックプライシングを初めて導入した。 32年前は決勝でも最高で1枚500ドル程度だったが、今回は昨年12月の販売開始時点で最大約8700ドル。その後、値段はつり上がり、日本の知人が4人分を計1千万円で購入したと聞いた。 FIFAは、一部の試合で目立つ空席の理由は、高額チケットが原因ではないと説明に躍起になっている。 変わらないものもある。 米国の11会場はすべてアメリカンフットボール、NFLのスタジアムを活用している。32年前も、大学が持つものを含めて、アメフトのスタジアムが使われた。 気になるのは試合時間だ。欧州各国のゴールデンタイムに合わせ、昼間に設定された。酷暑となれば、選手と観客への影響が懸念される。 32年前、ロサンゼルス近郊パサデナであった決勝は午後0時半過ぎだった。「真昼の決闘」と揶揄(やゆ)された試合は、無得点のまま史上初のPK戦による決着となった。選手があえぐようにプレーする消耗戦を、憤りとともに取材したことを思い出す。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人潮智史スポーツ部専門・関心分野スポーツ関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする