深掘り成年後見大改正「終われる制度」に 利用者が払う報酬どう変わる?編集委員・清川卓史印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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認知症などで判断能力が十分ではなくなった人の暮らしや財産管理を支援する「成年後見制度」。その仕組みを見直す改正民法が17日、成立した。利用すると亡くなるまでやめられないという事実上の「終身制」から「終われる制度」に大きく変わる。この見直しは、利用者が支払う報酬にどう影響するのか。【インタビュー】今の利用者はどうなる?今後の課題は?報酬はどう決まる 成年後見制度を利用した際に利用者が後見人らに支払う報酬額は、家庭裁判所の審判で決まる。 「後見人及び被後見人(利用者)の資力その他の事情によって、被後見人の財産の中から、相当な報酬を後見人に与えることができる」。改正前の民法にはこう定められていた。ただし、こういう事例はいくら、という基準が法律に書かれているわけではない。 支援内容や利用者の財産の内容を考慮して、裁判官が報酬額を決めている。利用者からすれば、申し立ての際には報酬額がわからない不安がある。 実態はどうか。最高裁判所が2023年に示した報酬額の調査によると、報酬額の全体平均は年33万4737円(月約2万8千円)だった。 利用者の預貯金や有価証券といった「流動資産」の金額別にみると、以下の通り。財産が多くなるほど報酬が高額になっていた。 ・1千万円超5千万円以下:43万6932円 ・5千万円超1億円以下:65万6248円 ・1億円超:91万4888円 後見人には親族以外の専門職が選ばれることもある。専門職別でみると、以下の通り。 ・弁護士:43万4427円 ・司法書士:35万208円 ・社会福祉士:25万7781円 いずれにしても利用者にとっては重い負担だ。これが亡くなるまで続くということが、成年後見制度の利用が敬遠される大きな理由だった。法改正で「必要な事柄・期間だけ」の利用が実現するなら、報酬支払いも一定期間で終わることになる。 報酬の支払いが厳しい低所得の人については、9割を超す自治体に申し立て費用や報酬の助成制度がある。 ただし、助成制度に条件をつけている自治体もある。例えば、利用を申し立てた人が市町村長のとき、つまり身寄りのない高齢者などの場合のみ助成し、本人・親族が申し立てたときは対象にならない、などのケースだ。結果として、弁護士らが無報酬で支援することを余儀なくされる例もあることが指摘されている。法改正で何が変わる? 今回の法改正では、本人の「資力」(預貯金などの財産)に加え、「事務の内容」が報酬を決めるときに考慮する要素であることが明記された。報酬の予測可能性を高めるための見直しだというのだが、どこが変わるのか。 「制度の運用は個別の裁判官…この記事は有料記事です。残り1066文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人清川卓史編集委員|社会保障担当専門・関心分野認知症・介護、貧困、社会的孤立関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする







