コラム・寄稿生活保護 心揺さぶる自治体サイトの言葉 権利守る制度案内とは編集委員・清川卓史印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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■記者コラム「多事奏論」 編集委員・清川卓史 生活保護に関わる、ある文章を引用したい。まず読んでいただけたらと思う。 「すべての人には生きる権利があり、命は尊重され守られるべきものです。(略)生活保護は生きるための権利です。生活保護に対する差別や、その他の差別は許されません」 「誰もが日々の暮らしの中で幸せでありたいと願っています。しかし、長い人生の間には、思わぬ病気や怪我(けが)など、様々な理由で収入が減ったり、無くなったりして、暮らしに困るときがあります。このように何らかの事情で暮らしに困ったときに、健康で文化的な生活ができるよう支援する制度が生活保護です。ためらわずにご相談ください」 これは東京都国立市のウェブサイトで、生活保護を案内するページの冒頭に掲げられた文章の一部だ。見出しは「すべての人に安心して幸せに暮らす権利があります」。制度を詳しく解説した「しおり」や申請書なども同じページでダウンロードできる。 生活困窮者支援の最前線で活動する「つくろい東京ファンド」の小林美穂子さんが書いた雑誌の記事で、国立市のサイトを私は知った。小林さんは「最初に見たとき涙が出そうになった」と語っている。私も「こんな自治体があったのか」と心を揺さぶられた。 生活保護では、自治体窓口で申請を妨げるような説明や対応をする「水際作戦」が長く問題になってきた。「最後の安全網」と言われる制度なのに、自治体サイトにまともな説明はなく、窓口にもチラシも申請書も置かれていない。かつては、そうした自治体が大半だった。 困窮して追い詰められた人は、多くの人が行き交う窓口で勇気を振り絞って職員に声をかけ、説明を聞くしかなかった。情報提供がないから「若い人は利用できない」などの誤解も蔓延(まんえん)した。 国立市によると冒頭の文章は、インターネット上で生活保護利用者へのバッシングが広がったことを契機に、2021年からサイトに掲げているという。 案内だけではない。市民団体…この記事は有料記事です。残り551文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人清川卓史編集委員|社会保障担当専門・関心分野認知症・介護、貧困、社会的孤立関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする