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ドラマ「古畑任三郎」は放送順と物語内の時系列が一致していない――。ファンの間で長年盛り上がっていた〝謎〟を検証し、事件の発生順に並べて考察したブログが話題です。6月からNetflixで配信が始まったのを機に、SNSで再び注目を集めている「古畑任三郎」。ブログの管理人に、1万文字を超える検証の舞台裏を聞きました。(朝日新聞withnews編集部・河原夏季)※以下、古畑任三郎のネタバレを含みます。全43作品、バラバラだった時系列を「徹底検証」「古畑任三郎」は1994年からフジテレビ系で放送された人気ドラマ。物語の始まりから犯人やトリックが明かされる「倒叙(とうじょ)形式」で描かれています。三谷幸喜さんが脚本を手がけ、2021年に77歳で亡くなった田村正和さんが敏腕刑事・古畑を演じました。【関連記事】古畑任三郎が小説で復活…三谷幸喜さん作「一瞬の過ち」役者の名前は〝大泉妙(みょう)〟全エピソードを時系列で並べて話題になったのは、倒叙ミステリー専門ブログ「ミステリプト」の管理人・せぷていさん(@mysteript)です。「『古畑任三郎』全43作品のセリフ、小物、背景の写り込みまで徹底検証し、事件発生順に時系列を完全整理しました!」6月6日、せぷていさんがX(旧Twitter)で、自身のブログ(https://mysteript.com/furuhataninzaburo-jikeiretsu/)を紹介すると、ファンを中心に「素晴らしい考察」「念願の時系列古畑鑑賞ができそう」「こんな楽しみ方もあったとは!」「ガチの古畑任三郎フリークだ…!」といったコメントが寄せられ、投稿は31万回以上表示されています。第1話から「時系列を崩す仕掛け」がせぷていさんが「放送順と時系列を意図的にずらす演出」に気づいたのは、第1シーズンの第5話「汚れた王将」(犯人役:坂東八十助さん)の中でのことでした。古畑が「新幹線に乗って酢豚弁当を食べるのが夢」と語ります。その後の第8話「殺人特急」(犯人役:鹿賀丈史さん)には、古畑が新幹線の車内販売で「スタミナ酢豚弁当」という商品が売っていないのか販売員にしつこく尋ねる場面が登場します。せぷていさんは「あ、これがあの時(第5話)の続きなんだ」と、明確に放送順と時系列のズレに気づいたそうです。せぷていさんが作品を振り返ってみると、第1話から「時系列を崩す仕掛け」がありました。「第1話で古畑は『バンズイインの取り調べ』と話します。これは第4話の犯人・幡随院大(笑福亭鶴瓶さん)のことです。さらに第1話で古畑と部下の今泉慎太郎(西村まさ彦さん)は一緒にいたはずですが、第2話『動く死体』では、古畑が今泉の名前を尋ねていて、〝初対面〟という設定になっています。このような放送順を崩した細かなセリフ遊びが随所にちりばめられています」「『完全版』の時系列一覧表を作りたい」ファンの間ではすでに、放送順と時系列がズレていることは周知の事実で、「時系列順に並び替えたい」というニーズが高かったそうです。これまでに数々の考察がなされましたが、「発信者によって内容はバラバラ」。明確な「事件日」の特定まで踏み込んでいるものはなかったといいます。そこで、せぷていさんは「自分の手で裏付けのとれた『完全版』の時系列一覧表を作りたい」と思ったそうです。「手始めに第1シーズンを繰り返し視聴してみると、登場人物のセリフだけでなく、画面の背景に映り込んだカレンダー、犯人が身につけている腕時計、季節の描写といった細部にまで、事件日を特定できる小さなヒントが隠されていることに気が付きました」と話します。「映像内の証拠をパズルのようにつなぎ合わせていくことで、自分も含めて誰もが納得できる信頼が高い時系列になると確信したことが大きな原動力となりました」【関連企画】小説版「古畑任三郎」 三谷幸喜さん作〝絶対に映像化出来ないエピソード〟特定作業に2カ月、1万4千字の考察ブログの記事「『古畑任三郎』時系列・順番を完全解説!放送順との違いと全事件一覧」が公開されたのは、2025年10月です。時系列を特定する作業には、2カ月ほどかかったといいます。「基本的にはシーズンごとに時系列が収まっていることがほとんどで、1シーズンずつ繰り返し視聴しながら、客観的な証拠を示すため最低限のセリフ引用や、該当時間を照合しました」考察にかけた文字数は1万4千字ほどにのぼります。そのうちの9割が「その事件日に至った理由を述べている裏付け部分」で、合理的な説明ができるよう何度も書き直したそうです。「膨大な確認作業ではありましたが、これまでとは違った視点からエピソードを楽しむことができ、驚くほど緻密(ちみつ)に小道具が設定されていたのだと知る機会にもなりました。なにより、ファンの間で定説とされていた並びとは異なる時系列になるなど多くの発見がありました」と振り返ります。「脚本の三谷幸喜さんが想定していたと思われる時間軸を解き明かしていく過程は、純粋に知的好奇心を刺激されるもので、心が折れるどころか時間を忘れて没頭してしまいました」これから見る人へ、楽しみ方は?Netflixでの配信を機に、改めて注目を集めたせぷていさんの考察。せぷていさんは、「多くの方に読んでいただき、純粋にうれしく思います。『古畑任三郎』には根強いファンがいて、今なお多くの考察や逸話が出てきたり、思わず語ってしまいたくなる豆知識が豊富にあったりする作品です」と話します。その中のひとつとして、自身の考察が「作品をより深く楽しむための道具としてうまく機能したのではないでしょうか」とせぷていさんは分析します。「時系列を少しだけズラすという制作側の遊び心のおかげで、視聴者がより能動的に作品を楽しめる仕掛けになっているのも、今なお愛される理由なのかもしれません」では、これから「古畑任三郎」を初めて見る人はどんな順番で見たらいいのでしょうか。せぷていさんは「まずは第1話からそのままの放送順で見ていただきたいです」と話します。【関連記事】「古畑任三郎」を愛するブログ管理人 「刑事コロンボ」との違いを語る「基本は1話完結型ですが、特定のエピソードには古畑と今泉の関係性を象徴する回や、お決まりの構成にあえて変化をつけた回も存在します。まずはまっさらな状態で作品そのものを楽しんでいただき、『時系列を意識した鑑賞』は、2周目……いえ、3周目くらいからの〝隠し要素〟として楽しんでもらえたらうれしいです」せぷていさんのX:https://x.com/mysteriptニュースが身近になるメディア「withnews」https://www.asahi.com/withnewsTikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@withnewsYouTubeアカウント:https://www.youtube.com/@withnewschannel






