2026年6月12日 20時30分福宮智代印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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慶応大発ベンチャー「ハートシード」(東京都港区)は12日、iPS細胞からつくった心臓の筋肉の細胞を、重い心不全の患者にカテーテルを使って移植する治験の1例目を実施したと発表した。血管から入れるカテーテルを使えば、手術で胸を開く必要がなく、患者の負担はより小さい。移植後1カ月の時点で、重い合併症はみられていないという。 ハートシード社が開発したのはiPS細胞からつくった心筋細胞を塊にした「心筋球」。心機能が低下した患者の心臓の筋肉に注射して移植することで、心機能の改善につながると期待されている。これまでの治験では、動脈硬化などで血管が狭くなった「虚血性心疾患」の患者に、血流を改善する冠動脈バイパス手術と同時に心筋球を注射していた。10人に実施し、効果と安全性を確認したとして、2026年中の製造販売承認の申請を目指している。 今回の治験では、虚血性心疾患に加えて、心臓の筋肉が薄くなりポンプ機能が弱まる「拡張型心筋症」にも対象を拡大。カテーテルを太ももの付け根の血管から心臓まで通し、動きが悪くなった部分の筋肉に心筋球を注射する。開胸手術で移植するより患者の負担が小さく、手術を受けることが難しい高齢患者の選択肢にもなる可能性がある。 1例目は信州大病院で3月下旬、拡張型心筋症による重症心不全の70代の男性患者に移植した。移植に伴う重い合併症は確認されていないという。治験は今後3年ほどかけて虚血性心疾患7人、拡張型心筋症7人の計14人に実施する予定。 拡張型心筋症は、何らかの原因で心臓の筋肉が薄くなり、心臓が大きくなる病気。薬物治療などはあるが、根治治療はない。治療の効果が乏しい場合は補助人工心臓や心臓移植などを検討することになる。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする