南の星空と米中覇権争い アルゼンチンの未完成望遠鏡から見えるものEmma Bubola, Edward Wong/The New York Times 抄訳=村野英一/朝日新聞GLOBE編集部印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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U.S.-China Rivalry Reaches South American Skies アルゼンチンのアンデス山脈の山裾に、巨大な中国製の電波望遠鏡が鎮座している。起伏に富んだ広大な山並みに囲まれていて、都市部の光害とは無縁。好条件に恵まれた世界でも有数の天体観測地だ。しかも、北京とは地球のちょうど反対側に位置するので、中国から見えない分の天空の眺望をもたらす窓でもある。 だが、サンフアン州にあるこのセスコ天文台で、中国製望遠鏡は電波をまったく受信していない。米政府がこのプロジェクトを問題視して再三の圧力をかけた結果、アルゼンチン当局が事業計画を完成前に休止させたためだ。重要な部品を欠いており、組み立てが完了していないため、巨大なアンテナはあてもなく空を向いている。 米国が次第に中国を宇宙でのライバルと見るようになり、南米上の星空は地政学的対立の火種になった。アンデスの荒野の天文学プロジェクトを中国が軍事的目的に利用する恐れがあるとして、米政府高官たちは事業を中止させようとしている。 トランプ政権は、西半球での中国の影響力拡大に対抗することなどを理由に、モンロー主義(訳注:南北アメリカ大陸に対する域外からの干渉を拒む米国の外交方針。モンロー大統領が1823年に唱えた)の現代版に取り組んでいると説明する。中国は中南米の多くの国々の主要な貿易相手国であり、科学技術や安全保障分野でも関係を構築しようとしている。 アルゼンチンの隣国チリは2025年、米国大使から強く要請され、アタカマ砂漠での中国の天文台建設事業を中止させた。南米最大規模になるセスコ天文台の中国製電波望遠鏡プロジェクトでは、完成に必要な主要部品のいくつかを、アルゼンチン当局が税関で(この記事の出た時点で)9カ月間にわたって差し押さえている。望遠鏡が見る先は科学か軍事か 日本も直面する白黒つけがたい議論【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」どうしてそんなことになったのか。望遠鏡が米国の人工衛星を追跡する恐れや、中国の人工衛星との交信に使われる可能性があるという理由で、米がアルゼンチンに繰り返し懸念を表明していた、とNYTは伝えています。 アルゼンチン政府の官房長官…この記事は有料記事です。残り3632文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする








