独自検察取り調べ映像、公開制限の動き 法務省が通知、誓約書要求の例も2026年6月8日 4時00分二階堂友紀印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする【動画】検察の取り調べの違法性が問われた国家賠償請求訴訟で、国が裁判所に提出した取り調べ画像の一部。検事が「検察庁を敵視するってことは反社(反社会的勢力)や」などと発言している

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元被告らが検事から違法な取り調べを受けたと訴えた国家賠償請求訴訟で、国が提出した取り調べ映像の公開を制限しようとする動きが出ている。法務省が今年2月、公開制限の対策を講じるよう、国の代理人を務める各地の法務局に通知。実際の訴訟でも、国が原告側に対し、メディアなどに映像を提供しないよう誓約書を求めていたことが分かった。 捜査の問題を国民の目から遠ざけ、検証を妨げる恐れのある動きだ。【国の主張とは】証拠の「目的外使用」禁止、乱用の恐れ 検察調べ映像、公開制限問題 通知は「検察国賠訴訟における基本的な方針」と題するA4判9枚の文書で、2月24日付。検事の言動が問われた事例で取り調べ映像などの提出に消極的だと、裁判所に悪印象を抱かれる懸念があると分析。発言内容に加えて声の大きさや態度が問題になっている場合、映像の必要性は否定し難いとした。 そのうえで、過去の国賠訴訟では、国が提出した取り調べ映像が報道されるなど「外部への流出」が確認されると強調。調べで言及された関係者の「名誉やプライバシーが害されかねない」と指摘した。 このため映像などを提出する際は、①マスコミなどの第三者に提供しないとの誓約書を原告側に求める②裁判所に記録の閲覧制限を申し立てる③傍聴人のいる公開の法廷ではなく、裁判官と原告、被告双方の弁護士で行う非公開の手続きで証拠調べを行う――といった対応を「検討すべきだ」と記している。弁護士「国民の知る権利を制限」 実際に、東京地検特捜部の検事が取り調べで「検察庁を敵視するってことは反社(反社会的勢力)や」などと発言し、国が損害賠償を求められた訴訟で、国は①の誓約書を求めていた。 訴訟記録などによると、国は今回の通知に先立つ昨年11月、メディアなど外部に提供しないと誓約する書面があれば、取り調べ映像を証拠として出すと通告。原告側は拒否したが、国は提出を避けられない状況で、そのまま提出に至った。 原告の代理人弁護士は取材に「公務員による人権侵犯について、取材の自由を制約し、国民の知る権利を制限するものだ」と語り、法務省や国側の動きを批判した。 公開制限を求める通知は国会で問題視された。法務省の訟務局長は5月27日の衆院法務委員会で、「第三者のプライバシー情報に適切に配慮するためで、(国民の知る権利の侵害などの)問題は生じない」と答弁した。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人二階堂友紀東京社会部|法務省担当専門・関心分野法と政治と社会 人権 多様性関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする