2026年6月7日 19時00分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするこの社説のポイント●大阪の「都構想」で、3度目の住民投票へ協議が始まる●維新が主導する「副首都法案」に、都構想の後押しを狙うかのような規定がある●吉村大阪府知事(維新代表)は、姑息な手段をとるべきではない
[PR]
大阪の吉村洋文府知事と横山英幸市長が任期途中で辞職し、再選されたことを理由に大阪都構想に三たび挑戦すると表明したことに対し、社説は手段の姑息(こそく)さや説得力に欠ける説明を批判した。 今度は、国会への提出準備が進む副首都法案をからめ、その規定を使って住民投票での賛成票を増やそうというのだろうか。場当たり的な手法は厳に慎み、大阪の都構想と国政の課題である副首都問題を強引に関連づけようとする姿勢を改めるべきだ。 大阪市を廃止して東京23区と同様の特別区を導入する都構想について、大阪の市議会と府議会は法定協議会の設置を議決した。都構想の実現を掲げ、両議会で過半数の議席を押さえる大阪維新の会が主導しており、近く協議が始まる見通しだ。 ここへ来て注目されているのが、維新が前のめりで、自民との連立政権合意書にもこの国会での成立がうたわれている副首都法案だ。 法案は、防災や経済多極化の観点から副首都を道府県単位で指定するとする。その付則に、特別区を導入する道府県が名称を「都」に変える場合、住民投票を道府県全域で行えるようにする内容が盛り込まれた。副首都法案の付則に「仕掛け」 現行の大都市地域特別区設置法は、廃止される市町村での住民投票を定めており、大阪での過去2回の住民投票も大阪市民が対象だった。その大都市法を改正するという。都構想への賛否について、大阪では府民全体では市民より賛成が多いとの見方があり、「都構想を後押しするのが狙いだ」との批判が出ているのも当然だろう。 副首都法案は内容が生煮えだ。都構想という大阪独自の問題は切り離し、法案の目的を吟味する必要がある。 吉村氏はかつて、副首都の指定では都構想が目指す特別区の設置が前提になると主張していた。大阪ありきとも言えるそうした言動が反発を受け、軌道修正した経緯がある。 反省はないのだろうか。氏が行うべきことは、2度にわたる住民投票で否決された都構想について、「3度目」へ時間と経費をかけることに住民の支持が得られるか、改めて考えることではないか。 維新が旗印とする都構想は「大阪府と市の二重行政の解消」が出発点だが、府と市は10年前に合同で部局を設け、共同施策を広げてきた。維新もその成果を誇っている。府と市の連携が着実に進むなかで、なぜ三たび「都構想」なのかという根本的な問いに答えるべきだ。大阪都構想とは 住民投票や区割りは? まとめてわかる要点解説「社説digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






