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葬儀の料金をめぐるトラブルが相次いでいます。トラブルにはどんな背景があり、大切な人の見送りで後悔しないために何に気をつけたらいいのか。葬儀コンサルタントとして7千人以上の相談に対応してきた松瀬教一さんに聞きました。――広告上の価格より何倍も高額な葬儀料金を請求されたというトラブルが相次いでいます。 業者がネットやチラシで打ち出す葬儀の料金では足りず、確実に追加費用がかかると思ってください。葬儀の料金構造は「基本料金」「オプション料金」「葬儀社以外に支払う料金」の三つから成り立っていますが、広告上は「基本料金」だけ表示されていることが多いのです。 「基本料金」には祭壇や棺、霊柩(れいきゅう)車など、主な葬具やサービスが盛り込まれています。「オプション料金」には参列者への会葬礼状や、遺体安置のためのドライアイスなどがありますが、参列者の人数や安置日数によって変動します。 「葬儀社以外に支払う料金」もあります。火葬料、お布施、仕出しのような飲食費などです。こうした料金構造を業者が丁寧に説明してくれないと、広告の料金で済むと思ったのに、あとから高額請求されたというトラブルにつながりやすくなります。――業者が「基本料金」だけ強調するのはなぜですか。 業者からすれば、葬儀の内容で他社と差別化するのは難しく、消費者に選ばれるには低価格を訴求した方が手っ取り早いと考えているのでしょう。 その傾向は、見積書にもみて取れます。数多くの事前相談に立ち合ってきた経験から言うと、見積もりの段階で総額を正直に伝える業者は1割程度で、9割の業者は料金を過少に記載し、安く見せようとしています。誤解を招く広告、なぜ横行?――誤解を招くような広告が横行するのはなぜですか。 密を避けるようになったコロナ禍を経て、葬儀の小規模化が進み、葬儀1件あたりの単価が下がったことがあります。さらに、この15年ほどでネットやチラシで広告を打って集客する「元請け」業者と、実際に葬儀を執り行う「下請け」業者という構図が定着しました。下請けは元請けに「送客手数料」を支払うため、これが下請けの経営にとって重荷になっています。 元請けは安さを強調した広告で集客し、下請けはオプションを上乗せして売り上げ増を図る。その結果、「ぼったくり」に映るトラブルが増加したとも言えます。――見積もりをチェックするときに注意すべきことは。 悪質な業者が上乗せしがちな項目として「祭壇や棺、骨つぼのグレードアップ」「エンバーミング(遺体の防腐処置)の追加」「家族葬での式場大看板」などがあります。 あまりに高額だと感じる項目は、見積もりをうのみにせず、なぜ必要なのか業者に確認してください。――見積書を見ただけでは、内容や料金が適切かどうか判断するのは難しそうです。 見積書の記入の仕方や項目も、業者によってまちまちです。どんぶり勘定で、葬具などの単価を明示しない業者もいます。複数の業者から「相みつ」を取ったとしても、どこも過少記載されていたら比較になりません。――では、どうすれば? 予算を念頭に、「全部でいくら?」を意識してください。業者に相談する際は総額をきちんと明示してほしいと伝え、見積書を受け取ったら「これ以上に支払うものはないですね」と必ず念を押すようにしてください。シリーズ【令和のお葬式】増えるお金のトラブルお葬式の「お金」をめぐり、広告よりはるかに高い料金を請求されるなどのトラブルが多発しています。コロナ禍を経て様変わりした葬儀業界の実態に迫り、後悔せず大切な人を見送るためにできることを考える連載はこちらから――業者の「質」を見分けるポ…