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またまた勝手に関西遺産 週に2回は大阪市内のサウナに通う自称サウナ通の記者(31)は5月末、静岡県浜松市のとあるイベントへ。ウキウキ気分でバスに乗り込んだ。 乗車してから5分足らず。 ふう。そろそろ、やね。 座席横にある降車ボタンをポチッとな。サウナストーンにアロマ水がかかり、じゅーっと水蒸気が上がる。あーっ。 85、90、95――。バス内の体感温度は100度近く。あちちと声を漏らし、タオルで汗を拭う。交感神経が働き、心拍数が上がっていく。これこれ、これですわ。 ボタンを押して3分後、たまらずバスを降りた。裸足で駆け出した先はすぐそばの水風呂。一気に体が冷えるのが分かる。バス乗り場横のイスに腰掛け、ポロリと一言。「ととのった~」サウナーに話題の「サバス」 サウナバス、略して「サバス」。引退した路線バスの車両を改造し、本格的な薪(まき)サウナを体験できるバスのことだ。この移動式のサウナが今、「サウナー」(サウナ愛好家)の間で話題になっている。 発案したのは兵庫県姫路市の松原安理佐さん(33)。県内を中心に路線バスなどを運行する「神姫(しんき)バス」(本社・兵庫県姫路市)の社員だった約6年前、路線バスの再活用を検討する中で思いついた。「フィンランドで事例があることを知って、うちでもできそうだなと」 ただ、サウナの知識はゼロ。おまけに普段入らない。 そこでSNSを使い、協力してくれそうなサウナ関係の会社に片っ端からメッセージを送ってみた。 早速、サウナ専門の検索サイト「サウナイキタイ」が興味を示してくれた。ちょうどコロナ下で「黙浴(もくよく)」のサウナブームが到来。中高年の男性を中心に趣味が広がっていた時期だった。 「専用の道具がいらないのが、いいのかもしれないですね」と松原さんは分析する。ただし、ハマるとグッズを買いそろえる人も多いらしい。 バスをサウナに変身させるという大型プロジェクトが始まろうとしていたが、神姫バスはバスの運行がメインの会社。アイデアは面白くても、成功する保証はなかった。新規事業を始めるには、時間もかかりそうだ。起業したらええやん 当時の上司だった経営企画部長の浜田環樹さん(63)に相談すると、背中を押してくれた。「自分で起業したらええやん」 国の補助金や神姫バスの協力もあり、2021年に同社から出向起業する形で、バス事業企画会社「リバース」を立ち上げた。着想から2年後のことだ。 浜田さんは「『ほんまにやるんですか』『クレージーですね』と言われながらもめげずに、よくここまで頑張ってると思う。覚悟がある」と目を細める。 起業後、約4カ月かけて完成したサバス1号車は、オレンジ色の車体が目をひく。バスの廃材を活用 バスの廃材を使って、つり革を温度計にしたり、整理券ボックスをロウリュ(石に水をかけて蒸気を発生させるサウナの入浴法)のタンクにしたり。車内後方をサウナ室、前方を休憩室と2部屋に分ける。路線バスの名残を生かした作りに仕立てた。通常のバスのように道路を走行可能で、イベント会場まで乗り入れられる。 元々引退した路線バスのため、サバスの寿命はもって5年。動けなくなった後は、非移動式のサバスを常設することを検討しているという。 引退したバスの再活用は、バス事業会社にとって願ってもない話。地域のイベントやテレビの特集などでサバスが話題になり、希望する会社が続出した。松原さんやスタッフだけでは対応しきれなくなり、ノウハウを売り出すサービスに衣替えした。今はフランチャイズ契約を含め、4台のサバスが生まれた。 「引退したバスの復活もそうですが、イベントをすることでその地域の活性化にもつながる」と松原さん。生まれ育った姫路に恩返しすべく、いつか大きなサバスフェスを故郷で開くという熱い思いも持っている。最近、だんだんサウナも好きになってきたそうだ。「うなぎ」がテーマの4号車 サウナ好きの反応も気になる…