現場から2026年6月4日 18時00分(2026年6月5日 22時24分更新)有料記事渕沢貴子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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犯罪捜査の切り札とも言える科学鑑定への信頼が揺らいでいる。きっかけは、佐賀県警で発覚した科学捜査研究所(科捜研)の不正事件。元職員=懲戒免職=が8年もの間、「DNA型不検出」と虚偽報告をするなどしていた。余波は、法廷にも広がっている。 問題は2024年10月に発覚。科捜研元主査の冨永剛弘被告(43)が実際には実施していない鑑定をしたかのように装うなどしていた。佐賀地検は26年2月に虚偽有印公文書作成・同行使、証拠隠滅の罪で在宅起訴した。 今月4日に警察庁が公表した特別監察の結果では、15年7月以降に元主査が単独で行ったすべての鑑定643件のうち約4割にあたる239件が不適切な鑑定だと認定した。 容疑者を取り違えるなど冤罪(えんざい)につながるようなケースはなかったとするが、37件については、捜査への支障があったかどうか不明のままとなった。 刑事事件での検察側の立証は、供述内容や鑑定結果などの証拠書類を裁判官が「採用」すれば、法廷でその概要を口頭で説明するだけで足りる。佐賀県警のDNA型鑑定不正 130件→239件に 特別監察まとめ だが不正発覚後、県弁護士会で鑑定不正問題を追及するプロジェクトチームの座長を務める出口聡一郎弁護士は、こう指摘する。 「これまで弁護士も科学鑑定の結果は信用し、否認する被告を認めるよう説得することすらあった。だが、ブラックボックスで人為的な操作ができてしまうことが分かった」 朝日新聞の取材で、県警が不正を発表した25年9月から26年6月までの間、佐賀地裁や地裁支部の少なくとも5件の裁判で弁護側が「信用できない」などとして鑑定証拠に不同意とした。 弁護側が鑑定結果の証拠調べに同意しなければ、検察側はそれ以外の方法で立証する必要が出てくる。 検察側が次の手として出しているのが、鑑定を実施した科捜研職員の法廷での証言だ。 4月、麻薬取締法違反事件の佐賀地裁の公判ではこんな一幕があった。 証言台に立ったのは、スーツ…この記事は有料記事です。残り1315文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする