【社説】広陵高野球部の暴行、いじめと認定 学校は会見して説明を2026年6月4日 19時01分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするこの社説のポイント●広陵高校野球部の部員間の暴力事案で、第三者委員会がいじめと認定●指導者や学校の対応にも問題があると指摘。学校側は責任者が自ら説明を●生徒の人権が部活動の前提であることを再確認したい
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部員間の暴行事案を受け、昨夏の全国高校野球選手権大会を途中辞退した広陵高校(広島市)について、第三者委員会が調査報告書をまとめた。暴行をいじめ防止対策推進法上の「いじめ」とし、「集団暴力による重大な人権侵害」と指摘。原因や学校の対応などを分析し、再発防止策を提言した。 学校側は「真摯(しんし)に受け止め、改善に取り組んでいく」とのコメントを公表した。全寮制の廃止なども打ち出したが、記者会見は開いていない。教育を担う公的な存在として、報告書をどう受け止め、どんな具体策を講じるのか。法人や学校の責任者が自ら語る必要がある。そのメッセージは、全国の学校の部活動関係者にとっても過ちを防ぐための教訓となるだろう。 このいじめ事案では、学校側が昨年2月、広島県高野連に不祥事事案として報告書を提出。元部員が昨年1月、禁止されているカップラーメンを寮で食べたことを理由に上級生4人にほおや胸をたたかれるなどしたとして、日本高野連が厳重注意した。その後転校した元部員側が「事実関係に誤りがある」と訴え、第三者委が置かれた。 報告書は、各自が単独で暴行したとする加害部員側の主張を退け、「複数の上級生が関与する集団的態様での暴力行為や威圧的行為」と認定。当時の中井哲之監督(退任)から被害生徒に対し、高野連に報告すればチームの不利益につながるといった趣旨の発言があり、転校の決定的な契機になったとも指摘した。 さらに、好成績を収めてきた野球部について、学校内で特別な地位にあり元監督の発言力が強かったこと、学校及び法人の経営陣による監督が不十分で、閉鎖的・排他的で同調圧力の強い環境が放置されてきたことを挙げた。少子化の中で、改めて考える部活動の根本 少子化が進むなか、生徒を確保する競争は激しさを増す。部活動を通じて知名度を上げようとする学校は少なくない。広陵高校のような私立ではないが、強豪として知られる熊本県立大津高校のサッカー部でもいじめ事案が起きた。第三者委の昨年10月の報告書は、大勢の部員を抱えるなかで指導者の目が十分届かず、試合に出られない生徒たちの不安や不満のはけ口がいじめにつながる可能性が高いと分析した。 「部活動における競技成績は、学校教育の目的に従属するものであり、生徒の生命・身体・人格権より優先されることはない」。広陵高校の第三者委はこう訴えた。強豪校を含むすべての学校の関係者が改めて確認してほしい。強豪運動部のいじめ「不安と孤独から生じる」 講じるべき予防策は「社説digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






