視点・解説米中再接近「信頼なき安定」 協力と対立が併存、台湾の取引がリスク奥寺淳印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

[PR]

記者解説 編集委員・奥寺淳 中国の歴代指導者が執務し、暮らしてきた中枢エリアである北京の中南海。新緑が茂る庭園を5月15日、トランプ米大統領と習近平(シーチンピン)国家主席が散策した。 「ほかの国のリーダーもここに来るのか」。こう尋ねられた習氏は「めったにない」と答え、特別待遇を望むトランプ氏の自尊心をくすぐった。 応接室に入り、習氏は2日間にわたる会談をこう評した。「大統領の訪問は、歴史的、象徴的だった。私たちは(米中の)建設的な戦略的安定という新たな関係をつくることができた」 中国にとって最大の成果は、「建設的な戦略的安定」という新たな関係を受け入れさせたことだ。軍事や経済で追いつくには時間がかかる。来秋に第4期政権の発足をめざす習氏にとって、対米関係の安定は欠かせない。 中国の国営メディアは会談直後から、「新定位(新たに位置を定める)」という言葉を使い、米中関係が新たな時代に入ったと報じ始めた。米政府がこの関係を公式文書で認めたのは17日になってからだが、中国側は先んじて「安定」への世論形成を始めていた。 二つの大国が衝突を避けようとするなら世界にとってもいいことのように見えるが、ことはそう単純ではない。 世界が首脳会談に目を凝らしていたのは、第2次大戦後の世界秩序をめぐり二つの大国がせめぎ合っていたからだ。トランプ氏が「G2」と呼ぶ米中関係の行方は、これからの国際情勢を左右する。ポイント・中国は新たな対米関係を「戦略的な安定」と定義。トランプ氏も対立を望んでいない・相手を打ち負かせないなか、中国に対する米国の力関係は相対的に低下している・相互不信は変わらず台湾問題が分岐点となるが、トランプ氏の取引がリスクだ 米中関係は半世紀余りにわた…この記事は有料記事です。残り3190文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人奥寺淳編集委員|米中・国際関係担当専門・関心分野米中、日中、国際関係関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする