インタビュー聞き手=編集委員・江渕崇印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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北京で15日まで開かれたトランプ米大統領と中国の習近平(シーチンピン)国家主席の首脳会談は、「建設的な戦略的安定関係」を打ち出した。両大国の緊張緩和はいつまで続くのか。優位に事を運んだように見える中国の経済の足元は。30年以上にわたり米中関係を追ってきた中国出身のエコノミスト、呉軍華(ウーチュンホワ)・日本総研フェローに聞いた。 ――今回の米中首脳会談をどう総括しますか。 「基本は『デタント(緊張緩和)の継続』です。前回首脳会談では関税やレアアースなど急所に絞って貿易戦争の緊急停止ボタンを押しましたが、今回はAI(人工知能)などにも裾野を広げました」 ――新たな概念として打ち出された「建設的な戦略的安定関係」とは。 「中国は対米関係が一直線に悪化することを避ける必要性を強く意識しており、『最大の競争相手』という米国の定義を回避したい意図の表れです。まだ米国と互角に争えるとまでは思っていません」 ――習氏は「トゥキディデスのわな」(新旧の大国が、相互不信から衝突してしまうという仮説)に自ら言及しました。 「イラン情勢を受けて世界で高まる対米批判を、中国側が過大評価した可能性があります。中国優位な語り方に見えますが、米国の衰退を含意していて反発を招きやすく、戦略的に賢明ではなかった。実際、トランプ氏はすぐに反論するような投稿をしました」 ――習氏は、台湾に関しても強く米側を牽制(けんせい)しましたね。 「かつてなく強硬でした。ただ、ベネズエラやイランで米軍が示した新しい軍事行動の様式と能力は、中国に湾岸戦争級の衝撃を与え、大きな心理的抑止効果をもたらしています。これまでは独裁者が戦争をしても犠牲になるのは一般国民でしたが、真っ先に独裁者が狙われたからです。中国は即時のエスカレーションには慎重にならざるをえないと思います」 「イランでの戦争が長引き…この記事は有料記事です。残り1280文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人江渕崇編集委員|国際経済・日本経済担当専門・関心分野資本主義と民主主義、グローバル経済、テクノロジーと文明関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする













