コラム・寄稿休刊が教える 縮小する日本の「消費者保護」 欧州との違い際立つ若江雅子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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アナザーノート 若江雅子編集委員 季刊誌「現代消費者法」(民事法研究会発行)がこの3月、第70号をもって休刊となった。消費者庁設置の機運が高まっていた2008年、日本消費者法学会の設立と時期を同じくして創刊され、消費者法の理論と実務をつなぐ役割を果たしてきたが、近年は部数が低迷していたという。ニュースレター「アナザーノート」政治や経済の最前線を取材する記者のノートから、とっておきの話をお届けする「アナザーノート」。デジタル版有料会員限定で、隔週日曜にメールで先⾏配信しています。 「大変残念だ」。編集顧問を務めていた消費者法の第一人者、松本恒雄一橋大名誉教授は寂しそうに創刊号を手にとった。当時の消費者行政推進担当大臣、野田聖子氏をはじめ、法曹、行政など各界の著名人の寄稿が載っている。「当時は『消費者が主役の時代がくる』という高揚感があった」と振り返る。 消費者庁の生みの親は、07年9月に首相に就任した福田康夫氏だ。消費者重視の姿勢を打ち出し、08年1月の施政方針演説では、これまでの産業界優先の社会を「消費者・生活者が主役」の社会に変えると宣言した。その強い意向を受け、自民党の政務調査会の下に消費者問題調査会が発足したのもこの頃だ。 だが、熱気は長くは続かなかった。「読者の減少は、学界、実務、そして社会全体が消費者政策への関心を失っていることの表れ」と松本氏は唇をかむ。 現代消費者法が休刊した同じ3月には、1966年から続く消費者行政の専門紙「日本消費経済新聞」も紙の発行に幕を下ろした。同紙で20年以上にわたり消費者行政をみてきた記者の相川優子氏も「読者が徐々に減るなか、消費者問題を支える層がやせ細っていくのを痛感した」という。 例えば、自治体の消費生活相談センターで相談業務を行う消費生活相談員。その半数以上は60代以上で、30代以下はわずか3%だ。ただ、若者に就職先として選べといっても難しい。その多くは非正規公務員。デジタル化によりSNSや暗号資産など最新の知識が求められるが、それに見合った報酬やキャリアパスが用意されていないのである。 消費者団体も高齢化と担い手…この記事は有料記事です。残り1674文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする