【社説】政界に広がる国保逃れ 社会で支え合う理念を政治が裏切るな2026年5月25日 19時00分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするこの社説のポイント●維新に続き参政でも地方議員の「国保逃れ」が発覚した。両党以外の各党も党内調査をすべきだ●両党は外国人の国保の滞納や未納を批判してきた。二重基準ではないか●議員が支え合いの理念に背くことは、政治への信頼を損なうものだ

[PR]

一般社団法人の理事に就任するなどして社会保険(社保)に加入し、国民健康保険(国保)の高額な保険料の支払いを避ける「国保逃れ」が、日本維新の会に続き参政党でも明らかになった。 両党では、党内での勧誘も行われており、組織性も指摘される。自民党の地方議員にも同様の事案が確認されており、政界全体に広がっている懸念がある。この際、各党が徹底的に党内調査を行い、ウミを出し切るべきだ。目立つダブルスタンダード 参政の神谷宗幣代表は18日に臨時会見を開き、地方議員ら10人が国保逃れに関与していたとして、離党勧告や除名、譴責(けんせき)などの処分としたと発表。自らの監督責任を認めて謝罪した。1月に維新の地方議員6人の事案が発覚したことを受け、党内調査を行っていたという。 公的医療保険は、働き方によって加入する制度が決まり、収入・所得に応じて保険料を支払う。国保逃れはこのルールに違反する。公に尽くすべき議員が、社会全体で支え合うという制度の理念をないがしろにすることは、政治への信頼を損なうものだ。過去には、外国人に「法の抜け穴、探すの得意」発言も 神谷氏は昨年2月、内閣への質問主意書で、ある自治体で外国人の国保の滞納率が日本人より高いとして、外国人労働者の未納状況などの調査と、受け入れ規制強化の必要性を訴えた。昨年6月の街頭演説では「(外国人は)法の抜け穴を探すのが得意じゃないですか」とも主張した。実際に抜け穴を利用したのは自党の議員だったのだから、あきれるほかない。 このダブルスタンダード(二重基準)は、維新も同様である。昨年5月の参院予算委員会で、所属議員(当時)が外国人の国保未納を問題視する主張を展開した際は、誇大な推計だったとして、後に訂正に追い込まれている。「身を切る改革」に説得力無し 社会保障改革を掲げる維新は、高齢者も含めた医療費の応能負担の実現を連立政権合意書に盛り込んだ。国保逃れは応能負担のルールを自ら破るものといえる。これでは「身を切る改革」を訴えても説得力はあるまい。 厚生労働省は今年3月に通知を出し、法人の役員であっても、本格的に経営に参画し、それにふさわしい報酬を受けていない限り、社保には加入できないことを明確にしている。 国保逃れに対しては、これまでの健保からの医療給付の返還や、年金の加入歴の取り消しが本来求められる。そこまでやらねば、ルールを守って保険料を払っている有権者に対して責任を果たしたことにはならない。「国保逃れ」疑う事業主 届いた資料と勧誘「維新議員もやっている」社説「digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする