焼失せずに残ったマツ。陸前高田の「奇跡の一本松」に似た姿だが、幹が焦げ、葉が赤茶けている=2026年5月16日午前11時19分、岩手県大槌町吉里吉里、東野真和撮影

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町の面積の8%以上が延焼する火災となった岩手県大槌町の山林に、ぽつんと1本、焼け残ったアカマツの木がある。 付近の山を持つ芳賀正彦さん(78)によると、火災前に他の木を伐採したが、このマツは「急斜面で切りにくく、樹齢は50年ほどありそうだが細くて曲がっているのでいい材木にならない」と切らずに残した。 芳賀さんが新たに苗木を植えて半年後に火災が起き、苗木や周囲の山の木が焼けた。このマツは芳賀さんの山の端の道路近くに生えていて、焦げたが、焼失せずに残った。 東日本大震災の津波に耐えて残り、レプリカとして立っている岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」と姿が似ている。 そうした偶然が重なって残ったマツを見ながら芳賀さんは「山林火災の記憶を残すモニュメントになればいいが、枯れてしまうかもしれないな」と話した。