糸谷哲郎九段(右)が投了し、藤井聡太名人に一礼する=2026年5月8日午後6時11分、石川県七尾市の「のと楽」、岩下幸一郎撮影

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■杉本昌隆八段の棋道愛楽 第84期名人戦の七番勝負で、 5月7、8日に石川県七尾市の和倉温泉にある旅館「のと楽」で行われた第3局。終盤で、藤井名人から「△4五歩」という妙手が飛び出しました。 状況を説明します。糸谷九段が2枚の桂を縦に並べ、猛攻を仕掛ける寸前でした。そこで指された藤井名人の△4五歩。「ふんわり」と形容したいような、柔らかくも芯の通った不思議な一着だったのです。 その歩は一見すると厳しさに欠け、悪手にすら見えてしまう。糸谷九段は30分の長考の末、猛然とその歩を取り、藤井名人の構想を咎(とが)め(隙を見逃さず的確に攻めて相手のマイナス面を引きだそうとすること)にかかります。しかし、次の△5三桂が藤井名人の真の狙いでした。どこでも体感できる現代 将棋の基本は駒の損得です…