2026年5月19日 17時26分石川尚文印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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1~3月期のGDP(国内総生産)は、順調なプラス成長になった。日本経済の足を引っ張ってきたトランプ関税と物価高という二つの暗雲が薄れ、晴れ間が広がったともいえる。ただ、中東情勢の悪化という次の暗雲が押し寄せる中、4~6月期はマイナス成長になるとの予測も出始めた。 内閣府が19日に発表した速報値では、在庫変動をのぞく国内需要の各項目が、それぞれ小幅ながら増加。GDPの季節調整値を前期比で0.2%分、押し上げた。外需の0.3%分を加え、全体では実質0.5%(年率換算で2.1%)と24年7~9月期の0.7%以来の伸び率になった。 第一ライフ資産運用経済研究所の新家義貴氏は「イランをめぐる情勢が悪化する前の日本経済は緩やかな回復基調を維持していたことが確認された」と評価する。3月には中東向け輸出が急減し、消費者心理も悪化したが、影響は限定的だったという。 だが、問題はこれからだ。消費者心理の悪化に加え、原油価格が高騰。ナフサ関連の製品の入手難を訴える声も広がっている。「1~3月期の強さはあくまで過去の数字」(新家氏)。民間エコノミストの間では、4~6月期の成長率は1~3月期から大きく低下するとの見通しが広がる。 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏は「中東情勢が徐々に緩和したとしても、4~6月期は年率0.5%程度のマイナス成長になりそうだ」と指摘する。 イラン攻撃前は年率1%程度の成長が続く見通しだったが、物流の停滞で企業が生産を減らすことに加え、原油高で企業の収益や家計の購買力が下押しされるとの見方だ。航空運賃の値上がりで、インバウンド需要の低迷も見込まれるという。 4~6月期はプラス成長を保つとの見方もある。大和総研の畑中宏仁氏は「原油の輸入減が計算上はGDPの押し上げに働くことに加え、個人消費や設備投資もある程度増加するのではないか」と指摘する。 春闘での賃上げの実現に加え、政府によるガソリン補助も消費の支えになり、企業も人手不足対応の投資は続けるとの見方だ。それでも年内の景気は低空飛行が続く見通しという。 1~3月期に見せた日本経済の底堅さと、その後の中東情勢の影響。当面は、両者の綱引きが続くことになりそうだ。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人石川尚文経済部専門・関心分野経済・社会全般に関心を持っています。関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする














