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My吹部seasons 2020年2月28日、時計が止まった。 横浜市立戸塚高校吹奏楽部の管楽八重奏チームは、2年連続の全日本アンサンブルコンテスト(アンコン)出場が決まっていた。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大により、全国大会の中止が発表されたのだ。 当時、高2だったトランペット担当の松岡夏希はこう振り返る。 「正直、中止になるんじゃないかと覚悟はしていましたが、希望は持ち続けるようにしていました。のり先生から中止を伝えられたときは、管楽八重奏チームの8人で号泣しました」 部員たちから「のり先生」と呼ばれる顧問の高橋典秀(のりひで)教諭(現・同市立みなと総合高校)も思わず涙を流した。戸塚高校に勤務していた10年間で、唯一生徒の前で涙を見せたのがこのときだったという。 フルート担当の福冨明音(あかね)は高1だったが、夏希たち高2のメンバーの打ちひしがれた姿が目に焼きついているという。 「演奏中も目が合うとニコッとしてくれる、包容力のある先輩が苦しそうにしている姿は、私にとっても精神的にきついものでした」先生が用意した晴れ舞台 感動のひとときでも引きずり続けた思い 高橋教諭は、アンコンの演奏曲《「テレプシコーレ舞曲集」より》の編曲者でもある。ミヒャエル・プレトリウスが作曲したルネサンス期の神々しい音楽を、生徒たちが晴れ舞台で演奏する――。一度はかなったはずの夢ははかなく消えた。教諭は語る。 「最後にみんなで《テレプシ…この記事は有料記事です。残り2781文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






