【社説】ニデックの不正、永守氏らの責任を明確に 信頼回復険しく2026年5月16日 19時01分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするこの社説のポイント●モーター大手のニデックで、会計不正に続いて製品の品質に関する不正が発覚した。上場企業では極めて異例だ●徹底的な調査で不正を洗い出し、創業者の永守重信氏を含む経営陣の責任を明確にする必要がある●投資家や市場だけでなく、顧客まで欺いた責任は重い。信頼回復への道のりは険しい
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モーター大手ニデック(旧日本電産)の統治不全は極めて深刻だ。信頼回復への道のりは険しさを増している。 国内外の幅広い拠点で蔓延(まんえん)していた会計不正に続き、家電や自動車などに使われる製品で発覚した品質不正の疑いは、1千件超に及ぶ。上場企業では極めて異例の事態だ。一連の不正行為に、創業者で長年経営トップを務めた永守重信氏による業績への苛烈(かれつ)なプレッシャーは、どこまで影響を与えたのか。徹底的に不正を洗い出すことを最優先に進め、経営陣の責任も明確にしなければならない。 ニデックでは昨年、グループ内で不正会計の疑いが相次いで発覚したことから、第三者委員会が調査を始めた。費用計上の先延ばしなど、様々な手口による多数の不正を認定した。その原因に、絶対的な権限を握った永守氏が非現実的な業績目標を掲げ、達成に向け過度なプレッシャーをかけていたことを挙げ、最も責めを負うべきは永守氏だと指摘した。 製品の品質の総点検は、会計不正の発覚を受け、内部管理体制の改善に向けて社内に設けた再生委員会が進めていた。確認された不正は、顧客に無断で部材や工程、設計を変更した事案が大半を占める。試験・検査データの不適切な取り扱いも見つかった。 現時点で製品の機能や安全性に影響する事案は確認していないとしているが、出荷検査で基準を超えるデータを適正と判断したものもあったという。コストダウンを目的に無断で部材を変えるなど、会計不正と同根の理由があるようだ。揺らぐものづくりへの信頼 ものづくりへの信頼が揺らいでいる。新たに設置された外部の弁護士による調査委員会が8月末をめどに結果をまとめる予定だが、日程ありきではない徹底した調査が求められる。安全性に関する技術的な検証や、法令違反の有無の確認を進める必要もある。 役員に法的な責任があったかの調査も外部の弁護士らに依頼して進めている。トップの暴走を食い止める監督機能を全く果たせなかった社外取締役も含め、検証と責任追及が欠かせない。 上場企業としての適格性が問われる難局は続く。6月の株主総会で取締役を大幅に刷新する新体制の承認を諮る一方、決算や監査の手続きに遅れが生じている。10月には、上場廃止もありうる特別注意銘柄の指定解除をめざして、日本取引所グループに内部管理体制の確認書を提出して審査を受ける方針だ。投資家や市場に加え、顧客である取引先まで欺いた代償は大きい。ニデック、品質不正の疑いは1千件超 社長ら2人以外の取締役交代へ「社説digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする










