視点・解説エネルギー危機は避けられるのか ホルムズ封鎖で考える三つのリスク福地慶太郎 香取啓介印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
[PR]
記者解説 経済部・福地慶太郎、編集委員・香取啓介 ホルムズ海峡の事実上の封鎖は、私たちの生活を支えるエネルギーの脆弱(ぜいじゃく)性をあらわにした。将来にわたり、安全で安心な社会を築くためにどんな道を歩むべきなのか。エネルギーを取り巻く三つのリスクとその対策を考えたい。 一つ目が、安全保障リスクだ。国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は、今回の封鎖について「史上最大のエネルギー安全保障の脅威だ」と表現する。 世界の原油と液化天然ガス(LNG)の2割は、ホルムズ海峡を経由して輸送されてきた。このため、今回の封鎖で過去の石油危機やロシアのウクライナ侵攻時よりも原油やLNGの供給量が大幅に落ち込んでいる。 3月には原油やLNG、石炭といった化石燃料の価格が軒並み上がった。原油価格の指標となる「米国産WTI原油」の先物価格は、一時1バレル=119ドル台と攻撃前の2倍近くに上昇。アジア向けLNG価格は2倍以上、石炭も需要増で高騰している。 日本の電源構成(2024年度)は火力が7割弱だ。石油は全体の7%、天然ガスは32%、石炭は28%。大半は輸入で、価格上昇は電気料金に跳ね返る。「6月ごろから影響が出始めると見込まれる」(赤沢亮正経済産業相) 化石燃料の高騰に振り回される最大の原因は、日本のエネルギー自給率の低さにある。経産省によると、24年度の自給率は16%で先進国では最低水準。化石燃料の輸入額は22年以降、毎年20兆~30兆円台で、国富の流出が続く。 世界を見渡せば、今回のように通航が妨げられれば危機になりかねない「チョークポイント(要衝)」が複数ある。ポイント・ホルムズ海峡が事実上封鎖され、化石燃料への依存リスクが浮き彫りになった・再生可能エネルギーの拡大は脱炭素のために不可欠で、安全保障の向上にもつながる・国内の原子力発電は使用済み核燃料の処理など、十分に活用していくには課題が多い 米エネルギー情報局(EIA…この記事は有料記事です。残り2420文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人福地慶太郎経済部|経済産業省担当専門・関心分野原子力、福島第一原発事故、生命科学香取啓介編集委員専門・関心分野環境・エネルギー、テクノロジー、科学政策、国際関係関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする









