視点・解説米中は「不安定な安定」へ 東西冷戦が教える「デタント」のもろさ編集委員・江渕崇印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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15日まで2日間にわたり北京で行われた米中首脳会談は、グローバル化の反転を象徴してきた両大国の関係が、「不安定な安定」ともいえる局面に入ったことを印象づけた。 会談を終え帰国する専用機内で、トランプ米大統領は「関税については議論していない」と記者団に明かした。 今回、米中経済関係のトゲとなっていた関税や輸出規制をめぐっては、両国とも目立った打ち出しを控えた。相手の急所に突き付けた刃をいったん下ろした前回首脳会談(昨年10月)の「貿易戦争の休戦」を事実上延長。対話の枠組みをAI(人工知能)の安全管理にまで広げようとしている。 米側が重視したとされる「五つのB」(中国側によるボーイング機〈Boeing〉や牛肉〈beef〉、大豆〈beans〉の購入、投資と貿易の両委員会〈Board〉設立)のうち、少なくともボーイング機や大豆の購入についてはディール(取引)が成ったと伝わる。 トランプ氏は機内で「たくさんのディールができた。ボーイングの飛行機を200機、最大750機の約束もした。史上最大の受注だ」と誇った。 二つの超大国が決定的な対立を避けつつも当面の安定を演出する構図は、東西冷戦が1970年代に一時的な緊張緩和をみた「デタント」に重なるものがある。 当時、ベトナム戦争で疲弊した米国と、深刻な経済停滞に直面したソ連は、根底にあるイデオロギーと価値観の対立を棚上げしたまま、核戦争による互いの破滅を避けるガードレール(防護柵)を設けた。 第1次戦略兵器制限条約(SALT1)による戦略兵器の数量管理。ソ連への大規模な穀物援助。敵対を認めながらも、共存を模索する手を打った。力任せに殴りかかった「トランプ関税」裏目に そして現代。 核弾頭に代わる「抑止力」と…この記事は有料記事です。残り1414文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人江渕崇編集委員|国際経済・日本経済担当専門・関心分野資本主義と民主主義、グローバル経済、テクノロジーと文明関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする














