【動画】福井県にレベル5大雨特別警報が発表された=八百板一平撮影、宮田香司さん提供

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気象庁は30日午前4時半、福井県にレベル5大雨特別警報を発表した。対象は福井県の福井市、大野市、勝山市。午前11時40分、レベル4大雨危険警報に切り替えた。 一時、福井、大野、勝山の3市全域の30万2610人に緊急安全確保が発令された。県は福井、大野、勝山、あわら、坂井、永平寺の6市町に災害救助法を適用した。「トイレから水あふれる」「国道が川のよう」福井県で浸水被害相次ぐ 県などによると、坂井市で29日夜に30代女性が水路に落ちて軽傷を、大野市では30日未明に雨の様子を見に外に出た男性(89)が転倒して軽傷を負ったという。 県内の22河川で氾濫が確認され、30日午後5時時点で床上浸水14軒、床下浸水80軒が報告された。「危険警報」新設、運用の変更… 新しい防災気象情報、対応急ぐ現場 雨は午後にはピークを過ぎたが、引き続き厳重な警戒が必要だという。 気象庁と国土交通省は午前5時半から会見を開き、「これまでに経験したことのないような大雨で、何らかの災害がすでに発生している可能性が極めて高い。命の危険が迫っており、ただちに身の安全を確保してほしい」と呼びかけた。浸水が懸念される場合には車で移動しないよう求めた。 レベル5特別警報では、避難所へ向かうことにはこだわらず、近くの頑丈な建物の上層階などへの避難が求められる。外へ出ることも危険な場合は、2階以上の部屋に移動するなど、少しでも命が助かる可能性の高い行動をとることが必要だ。 気象庁によると、日本海から日本の東側に前線が停滞し、湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定になっている。 30日未明の1時間降水量は福井市美山で64.0ミリ、坂井市春江で57.0ミリ、大野市で52.0ミリ、勝山市で47.0ミリ。30日午前までに観測された最大の24時間降水量は勝山市で350.5ミリ、福井市美山で318.0ミリ、坂井市春江で314.0ミリ、大野市で281.0ミリ。いずれも観測史上最多となった。 今回の大雨は非常に激しい雨ではあるが、線状降水帯は発生していない。気象庁の細見卓也予報課長は「1時間の降水量としては十分多いが、100ミリ前後の記録的短時間大雨は観測されていない。50~60ミリほどの雨が長い時間、比較的同じ場所に降り続くことで大雨になった」とした。大雨や水害、車での避難する時の注意点 冠水路や高架下は通らないで「駐車場、ひざの上まで冠水」 福井市 大雨特別警報が発表された福井市内で燻製(くんせい)料理のテイクアウト店を営む青木珠美さん(54)。30日朝から店舗に迫ってきた茶色い水を心配そうに見つめた。 青木さんによると、店近くの自宅の駐車場は午前5時ごろには足首ほどの高さまで冠水していたため、車を高台へ移動させた。その後、水位はみるみる上昇し、駐車場はひざの上ほどにまで冠水したという。 雨は降り続いた。店近くを流れる用水路はあふれ、隣接する田んぼが一面水につかった状態に。店前の道路も冠水し、車はタイヤの20センチ程度まで水につかりながら行き交っていたという。 やがて店の作業場まで水につかってしまった。「1時間ほどで10~20センチほど水位が上がった」と話した。 青木さんは「用水路と田んぼの境目が分からないほど。田んぼは真っ茶色の沼のようになっている」。収穫期を前にした稲の被害を心配し、「農家さんのことを思うと心配だ」と語った。 深夜からは緊急速報が相次ぎ、ほとんど眠れなかったという。 22年前、同じく福井市内が広範囲に浸水した福井豪雨も経験したが、「あの時は堤防の決壊後に水が引いた。今回はただ眺めているしかない」と話した。