米マイアミの片隅で 誰もが受け入れられ、歓迎されるその場所は秋山訓子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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アナザーノート GLOBE編集部記者・秋山訓子 6月下旬から、米国に取材に行った。テーマは「図書館」。米国はこの数年、図書館が「戦場」とも表現される状態になっている。LGBTQや性、人種を扱った本、あるいはそういった場面がある本が異議申し立てをされ、書棚から撤去される「禁書」騒動になっているのだ。 表現の自由を守る活動をしているNPO「ペン・アメリカ」の統計では、学校図書館で禁書が起きた件数は2023~24年度で1万46件、24~25年度で6870件。州別でみると24~25年度はフロリダで2304件、テキサスが1781件……。というわけでフロリダに行くしかないと考えた。ニュースレター「アナザーノート」政治や経済の最前線を取材する記者のノートから、とっておきの話をお届けする「アナザーノート」。デジタル版有料会員限定で、隔週日曜にメールで先⾏配信しています。 だが、取材のアポが全然取れない。禁書運動側も反禁書側も、取材に応じてくれない。「メディアに出たって全然いいことはない」と、ある関係者。「必ず逆側から批判される。時間の無駄」。ましてや名も知らない遠い日本のメディアなんて相手にしてくれない。 私はネットで調べて関係ありそうなところに片っ端から連絡をとった。メールを何度書いても、断りの返事が来るのはいいほうで、多くは無視。たまに電話番号が載っていてかけても留守電。そんななかでフロリダ州マイアミで「Bookleggers Library」というNPOを見つけた。「ライブラリー」(図書館)といっても、無料で本を配っている団体らしい。 電話番号が載っていたので、かけてみた。初日はつながらなかったが、次の日は人が出た。「私は日本のジャーナリストで……」と説明すると、最初は「?」という感じだったが、取材意図は理解してくれて、しかも「自分は日本に2年住んでいたから、朝日新聞も知っているよ」! というわけで、ここを手がかりにマイアミに行くことにした。 電話に出てくれたのは創設者のナサニエル・サンドラー。マイアミで生まれ育った。ニューヨークの大学に行き、日本美術、安土桃山時代の絵画や庭園に関心を持つ。大学卒業後、04年から2年間、海外の若者を日本に招き、地方で派遣され語学教師などで働くJETプログラムで石川県へ。羽咋市の高校で英語を教えた。「生徒は一生懸命で礼儀正しくて、日本の生活は楽しかった」 帰国後はマイアミでジャーナ…この記事は有料記事です。残り1398文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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