国方萌乃 井上隼印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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「歩(あゆみ)が死んだ」 20年前の8月28日、中谷加代子さん(65)=山口県防府市=は夫からの電話を受け、警察署へ向かった。 「そんなはずがない」「歩のはずがない」と願ったが、対面した娘の顔は紫色をしていた。 歩さんは当時20歳。遺体は、通っていた高等専門学校の研究室で見つかり、首にはひも状のものが巻き付けられていた。 警察は、歩さんを殺害したとして、同級生の少年(19)を指名手配した。 「一番大事にしていたものが突然なくなった。あの夏が暑かったのか寒かったのかも覚えていないぐらい、別の空間にぽんと放り出されたような」 1週間が経っても、少年の行方はわからない。高専生殺害事件から20年。当時19歳の容疑者の実名報道が問われた事件だった。 少年法は、20歳未満が犯した事件について実名での報道を禁じていた。警察は少年の名前を公表せず、「容疑の男子学生」と報じられ続けた。 歩さんは20歳、少年は19歳。 「どこかにラインは必要で、それがたまたま歩と加害者の間にあったと理解しようとしても、(歩は実名報道で)なんで少年は顔も名前も出ないんだって」 事件から10日後、警察に公開捜査を申し入れようとしていた日だった。 学校から5キロほど離れた山…この記事は有料記事です。残り1323文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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