2026年8月26日 22時09分(2026年8月27日 22時53分更新)笠原真 鈴木智之印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする【動画】土砂と濁流が建物をのみ込み、人々が逃げる一部始終を防犯カメラがとらえていた=ロイター・SOCIAL MEDIA(閲覧にご注意ください)

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ネパールと中国にまたがる地帯で26日に発生した大規模な土石流で、両国の当局や報道によると、27日時点で両国で計362人の死亡が確認された。行方不明者は1400人を超す。観光や巡礼などで訪れていた外国人が多く、被害の全容はわかっていない。原因や被害の広がりと気候変動との関係にも関心が集まっている。ヒマラヤの集落、濁流で「全て失った」52人なお不明 背景に温暖化 日本の政府高官によると、行方不明者には現地ツアーに参加中だった邦人の家族5人が含まれるという。夫婦と子ども3人で、中国側からネパールに入ったという。 ネパール警察は27日、ネパール側で359人が死亡したと発表した。国家防災管理庁は同日、警察官や軍人を含む910人が行方不明だと明らかにした。一方、観光当局は外国人540人を含む観光客667人が行方不明と発表している。 現地は登山観光で人気だ。ヒンドゥー教や仏教の聖地に向かう巡礼ルートでもある。行方不明者の国籍は30カ国以上に及び、インド人や米国人、ウクライナ人、マレーシア人らが含まれる。 また、中国中央テレビは27日午前時点の情報として、中国側では「3人が死亡、558人が行方不明」と報じた。行方不明者のうち260人が外国人だと伝えている。【動画】鉄砲水で一部が水没した川沿いの建物=SUJAN BAGALE・ロイター 土石流は26日朝に発生。米地質調査所(USGS)は、現地時間26日午前8時37分(日本時間午前11時52分)ごろ、マグニチュード(M)5.2相当の揺れを観測。ただし、地震ではなく、氷河の崩壊と土石流による揺れと判明したという。 中国チベット自治区シガツェ市吉隆県の国境検問所に設置された監視カメラ映像には、激しい濁流が5、6階ほどの建物を勢いよく越えた直後、画面が真っ黒になる様子が記録されていた。中国国営新華社通信は27日、李強首相が、多くの行方不明者が出ているシガツェ市の現場を訪れたと伝えた。 ネパール中部ラスワ郡などでは27日朝、捜索が再開された。シャハ首相は27日、ネパール人とインド人計116人を救助したとSNS投稿で明らかにした。シャハ氏は同日朝、被災地の視察に出発した。 長年にわたりネパール・ヒマラヤの山岳地帯の氷河を研究してきた名古屋大の藤田耕史教授(氷河学)によると、衛星画像から、国境に近いランタン・リルン山(標高約7200メートル)の北側斜面で氷河が崩れた可能性があるという。 米海洋大気庁のデータによると、この氷河の周辺でデータのある気象観測所は東に約350キロ離れたシガツェ市。7月の平均気温は17.9度で、データが残る1973年以降で最も高く、90年代と比べると3度以上も高かった。 藤田さんは、氷河の崩落だけでは説明しにくいほどの大規模な土石流であることから、「氷河が下流の川をせき止めてダム湖ができ、氷が溶けるか、水量が多くなって決壊し、一気に水が流れた可能性がある」と話す。 氷河が崩落したきっかけは、藤田さんは明確には分からないとしつつ、可能性として、地震が引き金になって氷河が崩壊したほか、温暖化によって氷河と岩盤の間に水が入ることで、崩れやすくなったことも考えられるという。 藤田さんによると、同様の事例が2021年にインドで発生。また、15年には地震によって、ランタン・リルン山南側の斜面が崩れて付近の村に大規模な被害を与えたという。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません