【社説】イスラエルの入植地拡大 国際法違反で許されぬ2026年8月26日 19時00分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアするこの社説のポイント●イスラエル政府が占領するヨルダン川西岸で新たな入植者向け住宅の入札を始めた●将来のパレスチナ国家が想定される西岸を分断する入植計画で、「2国家解決」を困難にする●入植は国際法違反。国際社会は繰り返し反対してきた。計画は撤回すべきだ
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武力で占領した土地に自国民を入植させることは国際法に反する。各国から繰り返し指摘されても、耳を貸さずに強行する。かたくなな姿勢はとうてい容認できない。 イスラエル政府は18日、占領下のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で、新たな入植者向け住宅約1200戸を建設するための入札を始めた。 「E1」と呼ばれる地区への入植の一環で、実施されれば西岸を南北に分断し、パレスチナが将来の首都と想定する東エルサレムが西岸から切り離される。パレスチナが独立してイスラエルと平和共存する「2国家解決」の土台を掘り崩す振る舞いだ。 「E1」計画は1990年代に始まったが、歴代の米政権を含む国際社会が反対したため、2000年代以降は凍結されていた。しかし、西岸の併合を公言する極右政党が連立に加わるネタニヤフ政権は25年8月、約3400戸の建設を承認した。 英仏などがパレスチナを国家承認する意向を示した時期だった。極右政党を率いるスモトリッチ財務相は「パレスチナ国家という考えを葬り去る」とまで述べた。 このとき、欧州など20カ国以上の外相は共同で、計画の撤回を求めた。それを無視された各国は今回、首脳による共同声明に格上げし、非難を強めた。ネタニヤフ政権は正面から受け止めるべきだ。 もとより、西岸への入植は国連安全保障理事会が国際法違反と決議している。国際司法裁判所(ICJ)も一昨年の勧告的意見で、国際法違反との判断を示した。 欧州などは声明で、入植計画は「イスラエルの国際的地位をさらに損なうことになる」と指摘した。中東でイスラエルと国交を持つ数少ない国であるエジプト、ヨルダン、アラブ首長国連邦も非難に名を連ねた。 入札は、10月に予定される総選挙の8日前に締め切られる。ネタニヤフ首相には、強硬姿勢を示すことで支持層を固める意図もあろう。だが国際社会で孤立を深め、周辺国の信頼を失うことは、イスラエルの安全保障にとって得策ではあるまい。 日本は、外務報道官談話で「計画の撤回と入植の完全凍結」を求めた。一貫して2国家解決を支持し、パレスチナ人への人道支援を粘り強く続けてきた立場から当然だ。 ただ、言葉だけでは限界がある。一昨年にはパレスチナ人への暴力に関与した入植者に資産凍結などの制裁を科した。欧州などとも連携し、入植拡大を阻止する具体策を模索していく必要がある。「2国家解決損なう」 イスラエルの入植地建設、欧州とカナダが批判「社説digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする







