熊本県を震源とする最大震度7の地震で、イオンモール熊本(嘉島町)が爆発し、7人の死亡が確認されました。全員がテナント(専門店)の従業員だったといいます。また、上益城消防本部によると、全員女性で20~60代でした。
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地震直後に何が起こったのでしょうか。ドライブレコーダーなどの映像や現場にいた人の証言、イオンや警察、消防への取材から、明らかになっていることを解説します。イオンモール熊本 中心地から約8キロ離れた郊外に イオンモール熊本は熊本市役所から南へ約8キロ離れた郊外にある。敷地面積は約22万平方メートル。駐車場は約5千台を収容できる。地震発生から約30分後に避難誘導が完了 イオンの説明によると、地震が起きた28日午後4時27分時点で、館内には約3千人の客と、従業員1300~1500人がいた。発災直後に館内放送や従業員の巡回があり、揺れが収まるまで館内に待機。収まった後に客を屋外へ避難誘導し、地震発生から約30分後の午後5時ごろには避難を完了したという。避難時の様子は 従業員に誘導され外へ モールの食料品店で買い物をしていた20代女性によると、地震の後、すぐにモール内で「外に避難してください」とアナウンスが流れた。従業員に誘導され、あちこちの店から客が外に出てきた。エスカレーターが止まっていたため、客が並んで下りていった。パニックになる様子などはなかったという。【動画】地震発生直後、イオンモール熊本の店内から外に避難する様子=2026年7月28日、熊本県嘉島町、提供映像避難完了から50分後 南中央部付近で爆発 爆発が起きたのは、地震から約1時間20分後、避難完了から50分後の午後5時50分ごろだった。建物2階の南中央部付近で爆発が起き、外壁を道路まで吹き飛ばした。【動画】地震発生後にイオンモール熊本であった爆発の瞬間=2026年7月28日、熊本県嘉島町、日新交通の石島誠也さん、南九州福山通運、関係者提供【詳しい記事】イオンモールの爆発、駐車場で遭遇 ドラレコに映る瞬間、逃げる人々避難マニュアル「館内に戻らないルール」 イオンの説明によると、専門店やグループ従業員の避難は、現地と本社を電話でつなぎながら行った。従業員と連絡がとれない店には会社側から連絡をしてもらうなどして、1件ずつ確認したという。 また、大きな地震が起きた時は、立て続けに起こる地震の二次被害を防ぐため、いったん外に避難すれば、館内に戻らないことをルール化し、マニュアルに記載しているという。【詳しい記事】イオンモール熊本の爆発、社長らが初の会見 「深く深くおわび」「中に戻っていい」複数の証言 一方、取材で社長の説明とは異なる状況が明らかになっている。 1階の催事場で働いていたイベントスタッフの男性(24)が外に避難して、約1時間が経ったころだった。モールの出入り口付近で無線でやり取りする店側の人が「従業員の方のみ、貴重品がある方は取りに行ってください。他の人は帰ってください」と呼び掛けていたという。実際に数人ほどが中に入る様子を見たという。 2階の飲食店で働き、外に避難した従業員の女性(16)も「避難誘導をした人から『中に戻っていい』と言われ、複数の従業員が中へ戻るのを見た」と証言する。 取材に対し、イオンの広報は「モール内に戻った人がいることは確認した。理由は今後検証する」としている。【詳しい記事】イオン避難後「中へ戻っていい」 社長説明と異なる複数人の動き再現「売上金を金庫に」亡くなった店員の運営会社が指示 また、従業員2人が命を落とした雑貨店の運営会社「ハビタ」(熊本市南区)は、幹部が店長を通じ、避難後の2人にレジの売上金を金庫に移すよう求めたことを明らかにした。 死亡した女性の親族らによると、女性は地震後に一度、モール外の駐車場に避難した。その際、偶然遭遇した親族に「会社からレジの売上金を金庫に入れるように言われたから戻る」と言い残し、同僚とともに館内に戻った後、爆発に巻き込まれたという。 会社幹部は「中に入るという指示を出したことは問題だった。今後は避難優先で、戻ることはないように徹底する」と語った。【詳しい記事】イオン爆発で2人犠牲 「売上金を金庫に」と指示、店舗幹部が謝罪爆発した付近 壁が崩れ骨組みがむき出しに 警察や消防によると、建物の南中央部付近で爆発が起き、このあたりには従業員らが使うバックヤードがあったという。店舗と廊下を挟んでいくつもの部屋が並んでおり、この周辺から多くの犠牲者が発見された。 取材に応じた消防司令長(58)によると、暗闇の中の捜索はヘッドライトの明かりを頼りに行われた。1階は2階から崩れたがれきが積もっている状態で、奥に行けば行くほど、その山が高くなっていたという。 余震が続き、二次被害のおそれもあるなか、壁が崩れ、骨組みがむき出しになった建物内での活動は困難を極めた。暑さが厳しいうえ、捜索中には何度も余震に見舞われた。そのたびに、建物外への退避を余儀なくされたという。 警察や消防などが公開した建物内の動画には、館内の天井や柱が広範囲にわたって崩れたりはがれたりしている様子が映っていた。【動画】爆発後のイオンモール熊本の外観と内部の様子。屋内目視点検用ドローンで状況調査が行われた=JUIDA/TerraDrone提供【詳しい記事】イオン熊本の爆発、暗闇で極限の捜索 バックヤード周辺に犠牲者多数爆発場所付近の屋外にLPガス イオンの説明によると、建物の南中央部付近の屋外には、最大9367キロのLPガスを貯蔵できるタンクがあり、空調や調理に使っていた。 爆発した南中央部付近の場所は、ガスの配管が飲食店に向かう経路の途中だったという。 イオン側はガス漏れがあった可能性が高いとしているが、ガスの緊急遮断装置が作動していたかは調査中としている。経産省「LPガスが原因の可能性が高い」 そのような中、経済産業省はLPガスが原因の可能性が高いと発表した。警察や消防などと現場を確認し、認識が一致したという。 また、SNSなどではガスを使って発電や熱供給をする設備「ガスコージェネレーション」が爆発の原因との見方が出たが、経済産業省によると、そのような設備はないという。 経産省の担当者は建物の設備について、「ガスコージェネレーションやガス発電機のような設備はないことを確認した」と説明し、「ガスは純粋に給湯器や調理に利用されていた」などと語った。【詳しく解説】イオン爆発 LPガスは1平米に50トンの破壊力、火災ない場合も専門家の見立ては X(旧ツイッター)では「大爆発の原因はガス発電システム」「発電設備が屋根の上にあったはずが、丸ごと吹っ飛んでいる」などと投稿されていた。 東京大の茂木俊夫教授(火災・爆発安全)は「激しく破壊されている辺りに可燃性ガスが滞留し、空気と混合して何らかの着火源があって着火し、爆発に至ったと想定される」と話す。 弱い圧力で壊れる窓ガラスなどがないと、内圧が高まり、今回のように壁ごと破壊されることになる。施設の1~2階は吹き抜けの構造で「爆風圧が高まりにくい」という。「バックヤードのような空間で爆発が起こり、壁が破壊されて屋外や店舗内に爆風が伝播(でんぱ)したのではないか」とみる。






