インタビュー構成・平岡春人印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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30年続く人気映画シリーズの最新作「トイ・ストーリー5」が大ヒットしている。7月に公開されるとディズニー・ピクサー作品では史上最速の11日間で興行収入50億円を超え、100億円突破も迫っている。新作の特徴やシリーズが愛され続ける理由を、おもちゃ文化の専門家、アニメジャーナリスト、映画評論家の3人はどう見るか。「トイ・ストーリー5」でウッディ帰還の理由は 共同監督が語る「おもちゃとの関係、問い直す」森下みさ子さん(白百合女子大学教授) なぜ子どもはおもちゃで遊ぶのかって? 理由は○○だ、ではなく、そもそも子どもは遊ぶようにできている、と答える方が正確かもしれません。 子どもは色々な物に「遊ぼう」の声を聞きます。例えば赤ちゃんは、何でも手で触っていじって反応を楽しもうとします。おもちゃは「持ち遊び」を語源としているので、このときいじっている物はおもちゃになっているといえます。大人にとって意外な物も、持って遊べれば、子どもにとって大切な遊び相手になります。 さて、その上で「トイ・ストーリー5」です。内気な少女ボニーが、子ども向けタブレット「リリーパッド」で四六時中遊ぶ。カウガール人形のジェシーや宇宙服姿の人形のバズは、自分たちはもうボニーに遊んでもらえないのかも、と不安になる。 そんなあらすじを聞くと、「デバイス機器より心を通わせられる人形の方が大切な存在で、人形を使って想像力を働かせながら遊ぶことこそが良い遊びだ、とボニーが気づく」という結末を想像する読者もいるかもしれません。そうはならないところが、この作品の面白いところです。 劇中でリリーパッドは単なる機械ではなく、ジェシーやバズと同様にキャラクターとして命を吹き込まれています。終盤にはボニーがリリーパッドを抱きしめる場面もあります。 大学で学生たちに、子どもの頃によく遊んだ思い入れのあるおもちゃを尋ねると、リカちゃん人形を挙げる人もいればニンテンドーDSを挙げる人もいます。子どもにとっては、ゲームなどをする手段のデジタル機器も人形と同様に、大切な遊び相手になり得ます。リリーパッドが両生類のカエルのキャラクターなのは、ボニーにとって他の子とチャットする媒体であり触って遊ぶ相手そのものでもある、という両面を表しているようにも見えました。 1996年に日本公開された「トイ・ストーリー」のバズは、大量生産されるおもちゃの象徴でした。2000年の「2」ではカウボーイ人形のウッディに古美術品としての価値を見いだす大人たちを描きます。シリーズは常にその時代のおもちゃ文化を批評しながら、同時にエンタメとして楽しめる作品を世に送り続けています。 第1作では、おもちゃを乱暴に扱う子どものシドが登場します。悪役に見えるかもしれませんが、子どもはおもちゃをいじっている中でこういう遊びをすることもあります。シドも典型的な子どものひとりなんです。子どもとおもちゃの様々な関係を、歴代の制作陣は細やかに見ていると思います。 持ち遊ぶことを通じて色々な物を大切なおもちゃにする子どもの可能性は無限です。けれど大人は新しいおもちゃに懐疑的になることがある。そんな大人に対して子どもとおもちゃの関係性を問い直してきたから、「問い・ストーリー」シリーズでもあるのでしょう。「パターンたどりつつ優れた新作」 数土直志さん(アニメジャーナリスト) とてもよく出来た作品です…この記事は有料記事です。残り2002文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人平岡春人文化部専門・関心分野音楽、映画、人権関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする






