インタビュートランプ氏が犯罪者扱いする移民 日系人教授が問う「米国人は誰か」聞き手・奈良部健印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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「史上最大の強制送還」を掲げるトランプ政権の思惑は何か。3歳で日本から米国に移り住んだカリフォルニア大ロサンゼルス校のヒロシ・モトムラ教授(移民法)は、15歳で市民権を取得するまで「無国籍」だった。その経験が移民法を研究する原点となった。「米国に属するのは誰か」を問い続けている。不法移民は犯罪者か 「史上最大の強制送還」掲げるトランプ氏の深謀 ――人が共同体に属するかどうかは、法的な地位だけでは決まらないと主張していますね。 もちろん法的地位は非常に重要です。しかし、米国の歴史では法的地位以上のことを問うことが大切だと思います。なぜなら、多くの人々が法的地位を持たずにこの国にいるのは、米国の労働移民システムの産物だからです。「侵略者」の移民が支える社会 ――米国は労働力が不足すると移民を歓迎し、経済が不況になると排除するというサイクルを繰り返してきました。 そうです。米国の農業や建設業、サービス業、介護などの現場は、低賃金で働く移民なしには成り立たない。ところが、政府は労働力を必要としながらも、十分な数の就労ビザを発行していない。市場の需要に応える形で「ビザなし労働」が発生せざるを得ない構造が生まれているのです。 突然、ある政権が「あなたたちはいてはいけない」と言うのは不公平な転換です。トランプ政権がそうした人々を「侵略者」のように扱っているのは、国家的な観点からみれば矛盾していると思います。 ――移民を犯罪者としてみる考えが米国政治で影響力を持っているようにみえます。 トランプ政権は亡命申請者を詐欺師のようにみて、さっさと送還してしまおうとする。法的地位を議論の終着点として考える。 トランプ政権の語り方というのは「犯罪者は悪い」「移民法に違反しているなら犯罪だ」というもの。非正規滞在は刑事犯罪ではありません。トランプ政権の語りと手法 法的地位を持たずに、この国にいることがどれほど悪いことなのかについては、人によって判断が分かれます。私は、多くの米国人が「書類を持たずにこの国にいること」と「実際に罪を犯すこと」との間には違いがあると考えていると思います。しかし、トランプ政権は両者を意図的に混同しようとしている。そうした語りは、おそらく米国人の3~4割ほどには浸透していると思います。 これは歴史上の様々な場面で使われてきた手法です。権力を握る時には敵を作り出し、その人たちを犯罪者と決めつける。グリーンカードを取得できる可能性がある人々には、申請する機会を与えない。「彼らは犯罪者だ」という語りと、「彼らはここに属していない」という語りはトランプ政治において極めて基本的な要素なのです。 ――長年米国で働き、家族を…この記事は有料記事です。残り946文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人奈良部健サンフランシスコ支局長専門・関心分野テック、インド、財政と政治、移民難民、経済安保関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする