現場から王者スペインが貫いた強さ ヤマル、クバルシ育てた「源」のプライド2026年7月21日 6時00分ニューヨーク近郊=加藤秀彬印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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(サッカーワールドカップ〈W杯〉 決勝 スペイン1―0アルゼンチン) アルゼンチンのFWメッシをどう封じるか。 その警戒感を持ちながら、スペインは自分たちのスタイルを変えなかった。DFポロは「ボールをもって試合を支配する。それがW杯を通して続けてきたことだ」。【動画】スペインとアルゼンチンが対戦したW杯決勝をスポーツ部の岩佐友記者が振り返る=内田光撮影 特定の選手を、メッシの密着マークにつけない。ボールをつないで敵陣に攻め込み、相手に攻撃の機会さえ与えない戦略を選んだ。 激しく、ときに感情的な相手のプレスを、細かく立ち位置を変えながらいなした。「心理戦にはのらない」とDFククレリャ。アルゼンチンのフラストレーションをため、同点の後半追加時間にはMFフェルナンデスの退場を誘発した。 数的優位となった延長戦では、サイド攻撃で攻勢に出た。前回カタール大会以降、伝統のパスワークだけでなく、ロングボールやクロスも武器にしてきた。 延長後半が始まった直後、右サイドから左へのクロスで相手を揺さぶり、FWトレスが蹴り込んで勝負を決めた。 育成がスペインサッカーの根幹だ。スペイン1部(ラリーガ)で指導者の育成などを担当するサウル・バスケスさんに、聞いたことがある。 世界のサッカーは今、イングランド・プレミアリーグで見られる強度が高く、縦に速いサッカーが主流だ。その潮流に、W杯での勝利が遠ざかっているスペインはどう対応するのか。バスケスさんは世界のトレンドを採り入れる必要性を説く一方、スペインサッカーのプライドものぞかせた。 「ラリーガはお金で選手を集めるのではなく、若い選手をクラブで育て、サッカーの理解を深めるプロセスを大切にしてきた。その成果が代表のFWヤマルやDFクバルシ、FWウィリアムスだ」 今大会のスペイン代表26人のうち、スペイン1部所属は18人。この日途中出場したMFペドリやトレスは強豪バルセロナの主力で、誰が入っても遜色なく同じサッカーを続けられた。レアル・マドリードの選手をW杯代表に選ばなかったのは初めてだったが、国内リーグの充実が代表の強さの源となった。 決勝までの計8試合で失点はわずかに1。チーム別で今大会トップの計5470本のパスを90%成功させ、相手の攻撃を無力化してきた。優勝でたどり着いた公式戦38試合連続の無敗は世界新記録だ。 デラフエンテ監督は「この成果は今回のW杯だけでなく、何年も前から積み重ねてきたもの。本当に価値のある素晴らしい選手たちだった」。 変化を受け入れながら自分たちのサッカーを成熟させ、16年ぶりに世界一へと返り咲いた。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません