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大阪地検特捜部が手がけた事件の取り調べで「検察なめんな」などと発言し、特別公務員暴行陵虐罪に問われた検事の田渕大輔被告(54)の初公判で、検察官役の指定弁護士が述べた冒頭陳述は次の通り(人物の名前については、原文では実名ですが朝日新聞の判断で匿名にした箇所があります)。【付審判請求とは】不起訴の事件を職権で裁判、0.06%の狭き門■はじめに 裁判所に法の正当な適用を請求する立場にある検察官が、取調室の中で机をたたき、長時間にわたって被疑者(容疑者)を大声で叱責(しっせき)し、罵倒しました。 この裁判は、裁判所が特別公務員である田渕大輔検事によるこの行為を犯罪だと判断するのかどうかが問われる裁判になります。 その判断いかんで、我が国の警察と検察を含めた取り調べの在り方が根底から変わることになる。そういう事件です。 田渕検事は、2000年に任官しました。以後、異動を繰り返し、19年4月、大阪地検特別捜査部に配属されました。■犯行に至る経緯 田渕検事が取り調べを担当した業務上横領事件についてお話しします。 捜査の発端は、学校法人明浄学院における1億円の使途不明金でした。19年6月頃、大阪地検特捜部の蜂須賀三紀雄検事が主任検事となって捜査が始まりました。捜査の中で、明浄学院をめぐる不透明な多額の資金移動が発覚しました。 明浄学院の元理事長が、個人的な借入金の返済のため、明浄学院所有の土地の売却代金を第三者の口座に送金したという業務上横領の疑いが生じたのです。 業務上横領被疑事件について、関係先の捜索差し押さえに向けた着手報告が作成されました。その時点で、被疑者は元理事長を含めて4人でした。 ただ、特捜部のなかではプレサンスの社長であった山岸忍さんが業務上横領事件に関与しているのではないかとの疑いが生じていました。山岸さんが、個人資産から明浄学院の買収資金として18億円を元理事長に提供し、その後、その18億円が山岸さんに返済されていたからです。【元特捜部長はどうみる】正義は検察ではなく法 元大阪地検特捜部長がみる「検察なめんな」【刑事弁護人は】「自らが正義」固執する検察 田中角栄の弁護人が語る検察改革の失敗 関係先の捜索及び任意聴取の結果を踏まえて、山岸さんの共犯性が検討されることになりました。 10月29日の強制捜査の前に、応援検事が捜査に加わりました。その一人が田渕検事でした。 蜂須賀主任検事は、強制捜査前日である10月28日、田渕検事ら応援検事に、事案の時系列や記録に目を通すようにメールで指示しました。その時点で、田渕検事を含む応援検事は、蜂須賀主任検事が想定する事案の見立てを認識しました。 10月29日及び30日に、関係先に対する捜索差し押さえ(1回目)が実施されました。■捜索差し押さえ(1回目)から逮捕方針の決定 捜索差し押さえと同時に、被疑者や関係者への事情聴取が一斉に行われました。供述調書も順次作成されていきました。応援検事が作成した供述調書は蜂須賀主任検事の下に集約され、特捜部の山下裕之部長、伊吹栄治副部長もその内容は把握していました。 11月4日、蜂須賀主任検事は伊吹副部長に対し、「(山岸さんの元部下でプレサンス社の部長だったA氏の)取り調べが重要と考えています」とのメールを送りました。 この時点で、特捜部のなかで…






