視点・解説殺人罪で公判中に被告の勾留取り消し 異例展開の裁判できょう判決植松敬 佐藤英法 羽賀和紀印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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茨城県古河市の介護老人保健施設で2020年、入所者2人の点滴用チューブに空気を注入して殺害したとして、殺人などの罪に問われた元職員の赤間恵美被告(40)の裁判員裁判の判決が7月7日午後1時半、水戸地裁で言い渡される。無期懲役を求刑した検察側に対し、被告側は一貫して殺人罪2件の無罪を主張。うち1件について、地裁は勾留を取り消した異例の経緯もあり、判断が注目される。 起訴状などによると、被告は20年5月、勤務先の施設で鈴木喜作さん(当時84)の点滴用チューブにシリンジ(注射筒)で空気を注入し、空気塞栓(そくせん)で血液が循環しない状態にして殺害したとされる。7月には同じ方法で吉田節次さん(当時76)も殺害したとされる。焦点は「事件性」と「犯人性」 吉田さんが死亡した2日後、施設職員が警察に連絡。遺体を司法解剖するなど、県警による捜査が始まった。その過程で鈴木さんの死亡についても事件性の疑いが浮上したという。 公判では2人の死亡が他殺かどうかの「事件性」と、仮に他殺であるとした場合、犯人が赤間被告であるかどうかの「犯人性」が主な争点となった。 事件性をめぐり、検察側は遺体のCT画像などから、2人の死亡は点滴から空気を注入されたことによる他殺だとし、「他の理由で死亡した合理的な疑いはない」と主張した。 弁護側は、鈴木さんが当初は心不全とみなされ、司法解剖がなされておらず、吉田さんは体内の気体量が致死量に達していないことなどから2人は病死などの可能性があると反論した。 検察側は、被告が犯人だとする根拠として、目撃証言をあげる。検察側の主張によれば、鈴木さんの容体が急変する約10分前、被告が鈴木さんがいる居室に出入りする姿が目撃されていた。吉田さんの容体が急変した日も、その約10分前に、被告が吉田さんの居室に立ち入り、吉田さんの体のそばでシリンジを動かす様子を同僚が目撃していた。 さらに、吉田さん死亡後に見つかったシリンジから、吉田さんの点滴の輸液と整合する成分や、被告のDNA型と整合するものが付着していたことも指摘した。 弁護側は被告がシリンジを動かしていたとする目撃証言は、シリンジと点滴用チューブとの接続を裏付けておらず、「殺害行為の目撃証言ではない」と主張。被告の犯人性は直接証拠が乏しく、「合理的疑いが残る」と指摘した。 赤間被告は初公判で「私は空気を注入していません。殺害していません」と起訴内容を否認しており、「すべて黙秘します」と述べたことから被告人質問は実施されなかった。異例の勾留取り消し 水戸地裁は4月、赤間被告が…この記事は有料記事です。残り461文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません