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高校野球の地方大会が各地で開幕を迎えている。今年も猛暑が予想される中、最も暑い時間帯に試合を避けるだけでなく、様々な対策が広まっている。 6月28日に開幕した愛知大会では、今夏から熱中症対策として「ベンチサポート制」を始めた。 各出場校に1人のみ認められてきた「記録員」を1人増やして選手以外の部員をベンチ入りさせ、選手に水分補給などのサポートをする。記録員の1人は試合のスコアをつけることに集中し、もう1人は選手に氷や飲み物を配ることができる。 津島高校のマネジャー・横井菜々子さん(3年)は、28日に行われた試合でベンチサポート役を務めた。選手に渡すネッククーラーを用意したり、量や冷たさを確かめながら飲み物を作ったりしたという。「最後の大会なので、選手と少しでも一緒にいたかった。スタンドからではなく、ベンチから応援できてうれしかった」 谷山和広監督はベンチサポート制の導入について「役割が明確になり、何かあったときに全員で動ける安心感がある。ベンチの戦力が1人増え、チームにとって価値ある取り組みだ」と語った。 観客向けの熱中症対策として、愛知県高校野球連盟は冷感シートと塩あめを無料配布する試みも始めた。 28日、熱田愛知時計120スタジアム(名古屋市熱田区)では、入場する観客に自由に取っていってもらうようにしていた。昨年まで長男が県内の高校野球部にいたという名古屋市在住の男性(48)は「今日は湿気があったので冷感シートを使った。ひんやりして気持ちよかった」と話した。 実際に熱中症の症状が出た場合に備えて、訓練を重ねて開幕を迎える地方高野連もある。 熊本県高野連は、6月25日にメイン会場のリブワーク藤崎台球場(熊本市中央区)で訓練を実施。球場職員6人と高野連役員43人が参加した。 球場内のエレベーターが小さいため、患者を搬送する担架が入らないなどの問題点を確認しながら、様々な搬送経路や手順をチェック。複数の患者が出た場合に治療の優先度を決める「トリアージ」をする場所や、大型の救急車が入れる地点までの誘導方法なども確かめた。 大会中は、場内放送やスコアボードでの表示を通じて、熱中症への注意を繰り返し呼びかける。守備が長く続く試合展開についても熱中症になる可能性が高いとして、1イニングが30分を超える場合、試合を中断して水分補給をすることを申し合わせている。 県高野連の斎藤輝久理事長は「万全の態勢を取って、無事に大会を乗り切りたい」と話した。クーリングタイム、給水タイムも広がる 涼しい部屋などに入って休息する「クーリングタイム」や給水タイムを実施する大会も目立つ。茨城など17大会では、クーリングタイムと給水タイムのいずれも実施する。 クーリングタイムは静岡、岐阜など32大会が五回終了時に実施。2023年に甲子園大会で実施され、各地に広がっている。 給水タイムは27大会で実施。三、五、七回終了時に行う大会が目立つ。徳島大会では、守備タイム時に守備につく全員への給水ができるようになった。 深部体温を下げる効果があるといわれるシャーベット状の飲み物「アイススラリー」は、滋賀など33大会で選手や審判委員らに配られる予定だ。 気温が最も上がる時間帯を避ける動きも、各地で広がっている。 三重、富山の両大会では昨年に続き、暑さがピークとなる昼過ぎに試合をしない2部制を行う。 山梨では午前11時から午後2時までの試合を避け、第3試合は午後4時半から実施する。山形大会は試合開始時刻を固定。試合終了が当初より早くても次の試合開始を早めずに、選手の負担軽減をめざす。 群馬、鳥取、鹿児島、沖縄の各大会などは開催球場を増やしたり予備日を減らしたりして、1球場あたり1日2試合までにする。 審判向けの暑さ対策を予定している大会もある。南・北北海道大会では、全審判員に熱が比較的こもりにくい白シューズを配る。白の帽子の着用を認める大会も増えている。開会式も変化 開会式のみを実施し、試合は行わない大会は18あり、宮城、岩手の両大会では今年から夕方に実施する。 実施方法も変わりつつある。岩手大会では今年から合唱などを廃止。長崎大会では、式典であいさつに立つ人数を3人から2人に減らす。選手たちはグラウンドに座った状態であいさつを聞き、式典の途中で自由に水分を補給できるようにする。福岡大会では2024年から1校ずつの入場行進をやめ、参加も選択制にしている。