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サッカーワールドカップ(W杯)北中米大会に臨む日本代表26人のうち、5人を担当する代理人がいる。ドイツに拠点を置き、代理人事務所「Sports360」に所属する龍後昌弥さん(34)だ。22日には移籍マーケットの実情を紹介する著書「最強の代理人」(KADOKAWA)が出版された。W杯を戦う選手たちをどう見ているのか、話を聞いた。久保建英、塩貝健人ら支える代理人 欧州で「選手と同じ熱量」を グループリーグ初戦のオランダ戦では、龍後さんが担当する4選手が出場機会を得た。 MF久保建英(Rソシエダード)が先発し、DF菅原由勢(ブレーメン)、FW小川航基(NEC)、FW塩貝健人(ウォルフスブルク)が後半途中からピッチに立った。 「チーム全体に硬さが見えた」という中、後半12分、MF中村敬斗(Sランス)の同点ゴールをアシストしたのが久保だ。ワンチャンスを結果につなげたが、左ひざを負傷し、無念の途中交代となった。 日本に勝ち点1をもたらす大きな役割を担ったのが小川だった。 後半44分、右CKに頭で合わせたボールがMF鎌田大地(クリスタルパレス)に当たり、ゴールに吸い込まれた。 「小川選手は、コーナーがあれば、『これはチャンス、俺が決める』『俺がヒーローになる』と毎回思っていると、2年ほど前から言っていた。まさに有言実行。覚悟が結果につながったと思う。私も頭が真っ白になるような感覚だった」 このCKでは、塩貝がオランダDFをブロックし、小川のシュートを「アシスト」していた。ゴールを狙いながらも、チームのために働ける選手たちの存在が光る。 「日本独自の『和』の文化が、チーム全体の戦い方にも表れていると思う」 20日のチュニジア戦では、龍後さんが担当するDF瀬古歩夢(ルアーブル)も後半途中から出場した。当初はボランチでの起用も予想されていたが、DFとしてプレーした。 「ポリバレント(多才)で、どのポジションでもプレーできる選手。堂々と試合に入っていた」 2試合連続で途中出場したのが菅原だ。 オランダ戦は1点ビハインド、チュニジア戦はリードした場面でピッチに入った。 「攻撃に目が行きがちだが、守備でも球際に負けず、空中戦でも長身の相手に勝てている」 オランダ戦後には、本人から「緊張感がすごかったが、脳がすっきりした」と連絡があった。 チュニジア戦で勝利した後には、久保を除く担当4選手がピッチで記念撮影をしていた。観客席にいた龍後さんは、菅原から「一緒に入ってよ」と身ぶりで促された。ピッチに入ることはできなかったが、うれしい一場面だったという。 久保以外の4人はいずれも初めてのW杯だ。大会直前には小川、菅原、瀬古の3人で3泊4日の沖縄合宿を行い、龍後さんも同行した。 食事の場ではリラックスして談笑する一方、日々の2部練習では「スイッチが入っていた」。技術的なトレーニングを中心に、クロスやシュートの反復に取り組んだ。 積み重ねてきた準備が、大舞台でも臆することなく自分のプレーを発揮できている要因となっている。 「小川、菅原、瀬古、久保の4選手はアンダー世代(年代別代表)のW杯を経験し、悔しさを味わってきた。塩貝は雑草魂ではい上がってきた選手。挫折を乗り越えてきた強さが、W杯でも発揮されているのではないか」 次戦は25日(日本時間26日)のグループリーグ第3戦、スウェーデン戦。引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる。 龍後さんは、選手たちのこの大会にかける思いを知るからこそ、その先の戦いも見据えてエールを送る。 「一発勝負の世界は難しい。でも、みんな、本気で優勝を目指している。歴史を塗り替えてほしい」