インタビュー権利守るため、どこかで線を ボクシング連盟会長、遺伝子検査に理解塩谷耕吾 稲垣康介印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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国際オリンピック委員会(IOC)は3月、女子種目の出場資格を改定した。 2028年ロサンゼルス・オリンピック(五輪)から、遺伝子検査で「生物学的な女性」と認められた選手に限定。性自認が出生時の性と異なるトランスジェンダー選手は除外され、身体的な性が一般的な発達パターンと異なる形で成長する状態の性分化疾患(DSD)選手も、ごく一部を除いて参加できなくなる。遺伝子検査導入の波紋 女子種目の一律判断は「明かな後退」と識者女子種目を遺伝子検査で線引き IOC、男性優位のデータ分析し決断 医師で、日本ボクシング連盟会長も務める仲間達也さんに今回の決定について聞いた。――今回の決定をどう評価していますか? 「IOCは丁寧にコメントしていると感じます。女性アスリートへの遺伝子検査が必要な理由、議論の経緯、あくまでトップカテゴリーで競い合う時に必要な措置であることも説明しています」 「性的少数者の方がレクリエーションや草の根レベルでスポーツすることを制限するものではなく、決定によって新たな差別を生んではいけないとしています。しかし、この部分があまり伝わっていないことが残念です」――IOCとしてはかなり大きな方針転換です。 「IOCが1996年アトランタ五輪まで約30年間行ってきた性別検査は、『性の分化が一般的ではない人がいる」ということが社会的に十分に認知されていない中で実施されていました」 「初期には女性が全裸かそれに近い状態になり、検査官が目視で性器を確認するという不適切なことも行われました。当時は人権意識や情報管理について、あまりにも無頓着でした」 「2000年代、社会的に性の多様性や包摂がうたわれるようになり、IOCは性別検査を廃止しました。ただ、生物学的に異なるベースの能力を持つ選手と競う状況が五輪でも起きるようになりました。結果いま、性の多様性についての考え方に揺り戻しが来ているのでしょう」――IOCでは昨年、カースティ・コベントリー氏(ジンバブエ)が女性で初めて会長になりました。 「彼女は競技者として女性カテゴリーでトップクラスで戦った経験があり、女性アスリートの権利保護にも考えがあったのでしょう。大きな方向転換をしたのだと思います」 「近代スポーツは当初、男性カテゴリーしかありませんでした。社会の進歩とともに、女性も安全に全力で競い合える女性カテゴリーが生まれました。長い時間をかけて女性が獲得したこの権利を守らねばなりません」――検査の影響は? 「今回、IOCは女性カテゴリーの公平性と安全性を担保するために『SRY遺伝子』検査で線を引くことを決めました。これは、ボクシングが安全のために40歳以下、フィギュアスケートが若い選手の心身の健康を守るために17歳以上という年齢制限を設けているのと同じです。39歳11カ月と40歳1カ月に大きな違いはありません。どこかで線を引く必要があるのです」 「一方で、大多数の女子選手…この記事は有料記事です。残り1212文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人塩谷耕吾スポーツ部|五輪、柔道、ボクシング専門・関心分野五輪、スポーツビジネス、ベッティング、井上尚弥稲垣康介編集委員専門・関心分野スポーツを「窓」に日本、国際情勢など社会について考察すること関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






